清明節が近づき、北京市八宝山地区に墓参者が続々と訪れている。平年と異なり、新型コロナウイルス感染症の影響で今年は墓参りに訪れる人が少なく、オンライン予約、タイムシェア、墓参り代行サービスは今年の北京市の清明節の新たな特徴となっている。
3月13日、北京市新型コロナウイルス感染症予防抑制作業に関する記者会見で、今年の清明節の墓参りに関する事項が発表された。今年の清明節期間、市内すべての葬儀場納骨堂、営利性共同墓地、大規模な公益性共同墓地は予約・タイムシェア制を実施する。
3月21日に北京市の各葬儀業者が墓参り活動を開始してから、すでに39万1000人が墓参りに訪れた。
八宝山人民公墓は埋葬数が北京市で最も多い共同墓地で、毎年、清明節期間の訪問者は市内で最も多い。
八宝山人民公墓の入口で、記者は墓参りに訪れる市民が平年より少ないと感じた。オンライン予約と電話予約をし指定時間に到着した墓参者は防護服を着た職員に誘導され、並んで消毒液がついた絨毯を通り、赤外線体温測定を受けて共同墓地の入口まで行く。入口の片側に臨時受付所があり、職員は市民にオンライン予約時の電子コードと身分証の提示を求め、情報確認を終えると墓地に入ることができる。
公墓エリアでは防護服を着た職員が表を見ながら墓碑を探している。彼らは八宝山人民公墓の墓参り代行サービスチームである。
代行サービスチームのリーダーを務める劉堃さんは、チームのメンバーを連れてバケツとふきんを持ち、墓碑の間を通って公墓エリア北側の納骨塔懐思閣に着いた。公墓の敷地面積は400ムート広く、墓碑が多く、劉堃さんらは墓碑を探すのに苦労する。
納骨塔の前で、劉堃さんらは表の情報を見ながら死者の名前を探す。見つかると、彼らは手袋をつけ、水で濡らしたふきんで石碑の名前の部分を拭き、3本の菊の花を供え、3回お辞儀する。わずかな時間だが、全てを厳粛に行う。
劉堃さんらは防護服を着てゆっくり歩き、1日約10時間勤務し、40件近くの墓参り代行を行う。
劉堃さんは休憩時間に水を飲み、「感染症が流行し、多くの人が現場に来て家族を偲ぶことができず、我々に代行を依頼した。我々は家族のように応対し、墓参りを代行し、彼らに安心してもらわなければいけない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年4月2日