社会>
japanese.china.org.cn |01. 05. 2020

「目立たない」労働者

タグ: 労働者

 

  「マスク運搬員」、夜間勤務する「動車医師」、黄河水文観測員など、メーデーの連休前、記者はこれらの「目立たない」労働者を取材した。彼らは裏方で勤務し、我々の「目に見える」生活を保障している。 

 

倉庫に「隠れ」た「マスク運搬員」

 

 過去3カ月、李效峰さんのWeChat万歩計は3万歩以上を維持した。毎日8時になると、彼は同僚たちと共に3万平方メートルの倉庫でマスク、防護めがね、防護服などの防疫物資を待機しているトラックに運ぶ。そのため、李效峰さんは「マスク運搬員」と呼ばれるようになった。

 

 李效峰さんの勤務地は山東省臨沂市の新明輝商城で、防疫物資はこの会社が常に用意している商品である。新型コロナウイルス感染症の発生後、これらの防疫物資は招集され、李效峰さんは仕分け作業を担当するようになった。 

 

 時間がなく、リズムが速く、残業が常態となった。

 

 李效峰さんによると、ある日の夜、退勤時間が近づいた頃に突然通知を受け、トラック1台分のマスクを用意しすぐに運ぶことになった。「倉庫は暗く、私たちはヘッドライトをつけてフォークリフトを運転し、倉庫内のマスクを急いで探し、1箱ずつチェックした。緊急任務をおろそかにするわけにはいかない」と李效峰さんは話す。

 

 1月21日から、李效峰さんは3カ月以上忙しい日が続いた。トラックが倉庫から次々と出発し、防疫物資が必要な人に届けられるのを目にした李效峰さんは、大変だが有意義なことだと感じた。李效峰さんは、「感染症の第一線で戦う医療関係者ほどではないが、感染症抑制に少しでも貢献できて嬉しい」と述べた。 

 

 大まかな統計によると、李效峰さんと同僚は100ロット以上の防疫物資を運搬した。先日、防疫物資の在庫がなくなり、「マスク運搬員」はようやく一息つくことができた。

  

昼夜兼行で勤務する「動車医師」

 

 21時、任務を終えた「復興号」が動車所に戻ると、動車整備士は忙しくなる。

 

 中国鉄道済南局集団公司青島動車区間臨沂北動車所で、点検整備士の岳志強さんは車両の下を歩き、照明を使って車底の各部品とボルトの接続状態を確認し、ペンで「21」と書いた。岳志強さんは、「車両の下の点検では車体の両側と床板の下の各部品をチェックし、緩んで落ちていないかを見る。21は作業日」だと説明した。 

 

 動車組は時速350キロで、1秒に97.2メートル進む計算になる。48時間または7000キロメートル走行するたびに、「動車医師」は車両を厳しく点検、メンテナンスしなければいけない。

  

 縦方向で見ると、動車組の点検作業は車両の下の走行部分の点検、車内の運転室と旅客設備の点検、天井の高圧パワーデバイスの点検に分けることができる。

  

 「サンシェードの状態良好、動作正常、ワイパーの噴水状態良好」。動車組の運転室で、整備士の張祥正さんは各ボタンとノブの動きを細かく確認している。動車組の両側にそれぞれ運転室があり、張祥正さんは1つを20分以上かけて点検する。張祥正さんは、「それだけでなく、パンタグラフを操作してが天井部分を点検し、車の下と合わせ、バグパイプと車両のヘッドライトも点検する」と述べた。

 

 臨沂北動車所点検乙班のリーダーの蔣吉さんは、「どの部分もしっかり行うことで、高速で走行する動車の安全を確保できる。感染症抑制期間は復興号の消毒作業を増やし、エアコンのストレーナーも頻繁に交換した」と話した。

 

 午前3時、動車所には明かりが灯っている。

  

大河を守る「母なる川の観測員」

  

 7時30分、万鵬さんは黄河濼口水文所の操作ビルに到着した。ハイヒールを黒の布靴に履き替えることは、万鵬さんが出勤して最初に行うことである。川辺では、黒の布靴が一番歩きやすい。

 

 濼口水文所は済南黄河百里景勝地に位置する。黄河主流で最初に設置された水文所で、万鵬さんはこの100年の水文所の初の女性所長である。

 

 万鵬さんは、「水文観測員の仕事は簡単で、水中からデータを観測するだけだと思われがちだが、実はそうではない。私たちがリアルタイムで観測する黄河の水位、水温、流量、砂の含有量、水質などのデータは洪水と干ばつの防止、黄河の水量調節を支えている」と述べた。

 

 黄河下流は狭く深い区間で、うねうねと流れている。万鵬さんは画面を指しながら「流量1100立方メートル毎秒」と言った。迅速かつ正確なデータは、下流域の都市の経済成長、工業・農業用水、庶民の生命と財産の安全に直接関わるという。

 

 彼女は、「黄河を人に例えると、彼女にも感情があり、私たちは毎日、彼女の感情の変動数値を観測している。‘黄河が安定していれば、天下は平和’という言葉を授業で習ったが、仕事をするようになってその背後の意味を理解した」と述べた。

 

 代々の黄河水門作業員の努力のおかげで、1回の黄河流量観測にかかる時間は1950年台初期の十数時間から現在は35分に短縮され、水位、水温、気温などの関連データの自動化オンライン観測が可能になった。

 

 万鵬さんが最も喜んでいることは、黄河が20年流れ続けるのを見届け、水質が良くなっていることである。彼女は、「現在、黄河の水質は山東に入ってから河口に到達するまで、常に集中式生活飲用水地表水源地の基準を満たしている」と話した。

  

 黄河が流れる全ての場所に、黄河作業員は水門所を設置した。黄河は昼夜流れ続け、黄河作業員も休まず勤務し、彼らは黄河の流れを守り続けている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年5月1日

1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  >