イタリア・ミラノの国立腫瘍研究所などの研究者はイタリアの腫瘍専門誌に論文を掲載した。彼らは昨年9月から今年3月に肺がんスクリーニング検査を受けた被験者959人の血液サンプルの検査を行った。その結果、うち111人(全体の11.6%)の血液サンプルに、新型コロナウイルスの受容体結合ドメイン(RBD)の特異的抗体があることが分かった。
論文の筆頭著者は15日、メディアに「昨年10月の第1週に集めた被験者4人の血液サンプルにこの抗体が存在していた。これは彼らが昨年9月に新型コロナウイルスに感染していた可能性が高いことを示している。RBDは新型コロナウイルスのスパイク糖タンパク質と人体細胞が結合する部分で、この抗体があるということは人体が新型コロナウイルスに感染していたということだ」と述べた。
研究者は論文の概要の中で、「この研究は、イタリアで初の感染者が報告される数カ月前に、イタリアの無症状の感染が広がっていたことを意味する。この感染拡大の時期は早く、想定外だった……(中略)……これはパンデミックの歴史を書き換える可能性がある」と記した。
イタリアで初の現地感染者が報告されたのは2月21日。感染者はイタリア北部ロンバルディア州ミラノの近くの町に住んでいた。ロンバルディア州は現在もイタリアで感染状況が最も深刻な地域だ。イタリア保健省が15日に発表した新型コロナウイルス関連のデータによると、イタリアでは24時間内に感染者が3万3979人増え、うちロンバルディア州は8060人だった。累計の感染者は117万8000人、死者は4万5000人以上。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年11月18日