今年20歳のチベット族青年・丁真さんは、四川省甘孜チベット族自治州西南部に位置する理塘県の山村に生まれ育ちました。2020年11月、10秒足らずの動画に写されたことで、一夜にして大ブレイク。動画の中で、民族衣装を身にまとった丁寧さんは凛とした顔つき、紫外線で日焼けした肌、澄み切った瞳、シャイな表情で多くの人の心を虜にしました。その無垢な笑顔が多くのネットユーザーを魅了し、「どうしようもなく惚れ込んでしまいました」、「丁真さんの笑顔には世界をとかす力がある」などと絶賛の声が絶えませんでした。
丁真さんが人気を博した理由には、彼自身の外見の良さだけでなく、故郷・理塘の美しさも背後にあるとも言われています。ネットの掲示板には、「ここが本当に美しい。機会があればぜひ行ってみたいです」などの書き込みが残されています。
青海チベット高原の東部にある理塘県は、中心地の海抜が約4000メートルにも達するため、「天空の城」とも呼ばれています。「丁真ブーム」のおかげで、今、ここの人気が急上昇しています。2020年11月末時点、インターネットでの「理塘」の検索数は620%も急増し、四川省甘孜行きの航空便の乗客は20%増えました。故郷の観光業の振興に丁真さんは確実に貢献を果たしています。
インターネットで爆発的な人気が出た後、丁真さんは県内の旅行会社に採用され、地元の観光イメージ大使にも就任。また、甘孜州の観光宣伝映画の出演や、数百キロも離れた四川省の省都・成都市で開かれた旅行プロモーション大会にも足を運び、故郷の宣伝に全力を尽くしています。成都への出張は、丁真さんにとって、これまでの外出の中で訪れた最も遠い町でした。最近では、4月22日の「地球の日」を前に、国連開発計画の招きに応じて、丁真さんは「地球を守る」ことをテーマに、北京で開かれた会議に出席し、スピーチを行いました。丁真さんはその中で、彼自身の白馬のことを取り上げ、出席者に自分の故郷・理塘を訪れて、大自然を肌で感じ、野生動物の保護に共に力を入れるよう呼びかけました。そして、カメラに向って、丁真さんは「It's time for nature(今こそ大自然を守る時なのだ」と英語で訴えました。(朱、Yan)
「中国国際放送局 日本語部」より 2021年5月3日