第7回全国人口調査（国勢調査）のデータによると、中国の60歳以上の人口は2億6400万人にのぼる。第14次五カ年計画期間中（2021−25年）にこの数値が3億を突破し、中国が軽度高齢化から中度高齢化の段階に進むと見られる。

　高齢者数が最も多く、高齢化のペースが最も早く、高齢化対応の任務が最も重い。この3つの「最も」は、中国の現在及び今後一定期間に渡る人口構造の基本的な国情を浮かび上がらせた。

　国家衛生健康委員会高齢健康司の王海東司長は、「積極的に高齢化社会をとらえ、高齢者と老後の生活を積極的に見据えるべきだ。高齢化の国情要素は各分野及び各業界の政策と活動に溶け込み、高齢者に優しい社会の建設を力強く推進し、高齢健康促進行動を掘り下げる。高齢者が健康に長生きできるようにし、高齢者の生活の質を上げる」と述べた。

　中国社会科学院人口・労働経済研究所の張車偉氏は、「高齢化は眼前の課題であり、経済成長の新たな原動力を見いだす突破口でもある」と述べた。

　国連の推算によると、中国の60歳以上の人口が占める割合の上昇ペースは、今世紀前半に世界平均の倍以上になる。

　中国老齢協会の呉玉韶副会長は、「誰もがいつか年老いる。今日の高齢者の支援は、明日のすべての人の支援につながる。国情に合致した養老の道を歩むことが極めて重要だ」と述べた。

　調査によると、中国の9割以上の高齢者が自宅での養老を希望している。しかしその一方で、全国の「空巣老人」と生活が困難な高齢者が多く、高齢者扶養率が高い。豊かにならないうちに高齢化を迎えながら、高齢者を養わなければならない。この天秤のバランスをいかに保つかは、大国の知恵が試される。