社会>
japanese.china.org.cn |15. 11. 2021

1ヶ月400元で過ごした清華大学の貧困学生の綴った文章がネットで話題に

タグ: 奨学金


「僕も(自分を援助してくれた)彼らのように、1人でもいいから輝けるように助けてあげたい」とつづった中国の名門大学である清華大学の卒業生で、貧しい家庭で育ったある匿名の男性が書いた文章が最近、中国のネットで大きな話題となっている。

「T35を知っていますか?私はこの列車にとても感謝しています。これは、安徽省から北京に向かう普通座席がある唯一の白皮列車(普通列車)です」。彼は2014年、お金を節約するために、この普通座席の切符を買って安徽省から北京に向かう列車に乗った。

この男性は入学した当時、奨学金と補助金合わせて約1万3000元(1元は約17.8円)を手にしたが、授業料と雑費を支払うと、1年に自由に使えるお金は手元に6500元しか残らなかったという。そのため、綿密な計画を立て、1ヶ月のお小遣いを400元と設定した。同級生らが果物を食べたり、ジュースを飲んだりしている時、彼はひたすら水を飲み続けた。そして食堂では出来るだけ安く、なるべく美味しく食べられる組み合わせをずっと考えていたという。また、クラスメイトと一緒に旅行に行くお金を捻出できず、同級生と一緒に記念写真を撮る機会を逃してしまった。こうしたささいな事柄の数々が人々の心を揺さぶり、感動させている。

「毎年、奨学金を出してくれていた企業と基金会にはそれぞれ手紙を書いていた」。援助を受けると同時に、この男性は支援してくれる企業や機関に定期的に手紙を書いていたという。

その後、アルバイトをして安定した収入を得られるようになり、大学院への推薦も手にすることができたという。

そして、大学院に入って1年目になると、1学期ごとに3200元を取り分けて、故郷の「希望小学校」に通う子供4人の生活費、授業料、雑費として援助するようになった。また、帰省するたびに、それら子供に会いに行き、外の世界について語っていたという。文末で男性は、「いつの日か、清華大学の校友のように基金会を立ち上げて、役に立つようなことをしたいと考えている」と綴っている。

清華大学の多くの先輩・後輩たちが、この文章を次々と転載しているほか、清華大学の力学博士・羅承成と名乗る人は、「貧しさを経験したことがあるからこそ、援助の尊さがより身に染みているのだろう。この文章を書いた後輩は今も決して豊かな生活を送っているわけではないが、その心は常にこうした貧しい学生たちに向けられている。このような他人の身になって考えることのできる心、できる限りのことをして他の人を助けようとする姿勢に、とても感動する」とコメントを寄せている。

また、清華大学の修士課程で学ぶ孫さんは、「これまでにも、清華大学の学生のこうした感動のエピソードを読んだことが何度もある。でも今回、この先輩が自分の生活に少し余裕ができるとすぐに他の人を助けたいと思うようになった点に、とても感動した。そのような気持ちは、本当に貴重だ。自分も一生懸命勉強して成果を上げ、将来自分の知識を活用して社会に恩返ししたい」とした。

別の学生・江さんは、「微信(WeChat)のモーメンツで話題をさらっており、みんな競うようにこの文章を転載している。僕もこの文章を読んでとても感動した。先輩は、同情を買おうとしたり、泣き言を言ったりすることはなく、最もシンプルな言葉で、自分の大学生活を描写しており、苦難の中に強靭さを垣間見ることができる」と語る。

あるネットユーザーは、「彼は本当に誠実な人で、物質的な状況が変わったからといって、自分の心まで変えていない。人徳を高く保って物事を成し遂げ、自らを向上させることを怠らない姿勢を、生涯模範にした」というコメントを寄せている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年11月15日