雲貴高原を走る「幸福の鈍行列車」

   内昆鉄道の雲南昭通南駅のホームに冬の暖かい日が差し込む。リンゴを担いだ村民が列車を待ち、雲貴高原の山奥にあるこの小さな駅は賑やかになった。これらの新鮮なリンゴは昭通南駅から緑の5647次列車で運ばれ、貴州威寧、六盤水、安順、貴陽などで販売される。

 

   2002年5月、内昆鉄道の雲南水富・貴州梅花山間が運営を開始した。2003年、貴州貴陽・雲南昭通間に各駅停車の緑の5648/5647次列車が開通した。この列車は平均時速40キロで、18駅に停車し、全長407キロを9時間31分かけて運行する。雲貴高原を抜けるこの「鈍行列車」は沿線住民の重要な交通手段であり、雲南省と貴州省の鉄道沿線の農産品の「下山」を支える列車でもある。

 

   沿線の果物農家のリンゴ販売を手助けするため、この列車は専用放送を行い地元のリンゴの品質を紹介し、農家が車内で多く販売できるようにしている。また、鉄道部門は列車の後部に荷物車を追加し、専用の貨物輸送車両を設置し、果物農家に便宜を図っている。

   各駅停車、低料金、朝出発・夕方到着、住民への奉仕。高速鉄道が急速に発展する時代、山奥のこの「鈍行列車」は18年運行し続け、乗務員と果物農家は互いの名前を知っているほど親しい関係を築いている。この列車は沿線住民から「リンゴ号」列車や「富裕化快速列車」と親しまれている。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年12月3日