社会> |
japanese.china.org.cn |27. 08. 2024 |
中国進出30年、人気が衰えるハリウッド映画
映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のキャストとスタッフが2018年4月19日、上海で登場した。新華社記者・丁汀撮影
映画「逃亡者」が1994年、国内初公開の米国映画として、中国の観客と低迷期の中国映画業界に衝撃をもたらした。ハリウッドは中国市場での良き時代を迎えた。2023年に入ると、ハリウッドは中国という世界2位の映画市場における予想外の栄枯盛衰のペースに驚かされた。中国の23年の映画興行収入トップ10にはハリウッドから1作品も入らなかった。米メディアの報道によると、ハリウッドの映画作品が中国の興行収入に占める割合は、23年に約12%まで低下した。今年の中国映画興行収入トップ10を見ると、「ゴジラxコング 新たなる帝国」が暫定8位に入っているだけだ。
中国市場に進出してから30年になるが、かつての人気は見る影もない。米メディアと専門家は、ハリウッドは近年創意が不足し、攻めの姿勢に欠け、作品が観客に飽きられていることが重要な原因と分析した。
米CNBCは、中国の観客は型にはまったハリウッド映画のストーリーに嫌気が差しているようだと指摘。ハリウッド業界誌「バラエティ」は、「ハリウッドは中国で以前のような人気を取り戻すことが難しいが、続編やヒーロー物で中国市場へのアピール力を維持しようとすれば、大いに失望させられることだろう。中国の観客は米国のシリーズ物と、トム・クルーズ式の個人主義から脱却したようだ」と伝えた。
ハリウッド映画の魅力衰退のもう一つの重要な原因は、中国現地の映画業界の急速な発展に伴う競争だ。
米国の映画研究コンサルティング会社の責任者は、「大好評の多くの中国映画は、いずれも実際のエピソードや庶民の生活を原作としており、現実的な生活に即しており共鳴を起こしやすい。中国で最近流行っているサスペンス映画は予測困難で語りが巧みという特徴があり、映画観賞の興味を掻き立てた。それと比べると、多くのハリウッド映画の続編は最初から最後まで予測可能だ」と分析した。
また中国映画の発展と成長は、中国人観客の自国の文化及び価値観への承認を示している。米誌「ナショナル・レビュー」が、「中国の映画産業が国内市場の需要を満たせるまで強くなるにつれ、文化的な差がより重要な影響力を発揮するようになった」とした通りだ。
米メディアは、中国は今後もハリウッドにとって欠かせない重要な海外市場だが、この市場での激しい競争に向け姿勢を整えプランを立て直す必要があると指摘した。中国市場でハリウッドが他者を「圧倒」することは今後ないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月27日