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japanese.china.org.cn |07. 09. 2024 |
内蒙古の「植物のポンペイ遺跡」
中国科学院が3日に発表した情報によると、第2回「世界地質遺産100選」に中国から3カ所が選ばれた。うち「植物のポンペイ遺跡」と呼ばれる内蒙古自治区の「烏達ペルム紀植物化石産地」の化石群は、3億年近く前の熱帯雨林を留めている。
烏海市海勃湾区博物館収蔵の植物の化石(1日に携帯電話で撮影)。新華社記者・賈立君撮影
「烏達ペルム紀植物化石産地」科学研究チームの責任者で、中国科学院南京地質古生物研究所所長の王軍氏によると、内蒙古烏海市烏達炭田で、厚さ約0.66メートルの火山凝灰岩の中から森林が見つかった。火山灰内の高精度ジルコン年代測定結果によると、この石炭生成森林は今から約2億9834万年±90万年前に形成された。当時は噴火により大量の火山灰が降り注ぎ、森林の草本植物及び高さ数十メートルの喬木が倒れ、その中に封じ込まれた。その後の長い石化プロセスにおいて、火山灰が2層の石炭の間の火山凝灰岩に、石炭生成森林が植物の化石になった。最初に発見された化石の面積は約35平方キロメートル。烏海「植物のポンペイ遺跡」により、3億年近く前の森林の実際の様子を直観的に目にすることができる。
烏海「植物のポンペイ遺跡」では現在までにヒカゲノカズラ類、有節植物類、前裸子植物、シダ植物、シダ種子類、ソテツ類、コルダイテスの7種の植物の化石が見つかっている。標本は質がきめ細やかで、ある標本は走査型電子顕微鏡で細胞構造、さらには細胞核を見て取れる。多くの化石はさらに昆虫と植物の相互作用を記録している。これは古生代後期の地球の生物群の生態を探る貴重な資料だ。
専門家によると、烏海「植物のポンペイ遺跡」が置かれていた環境は、地球の気候が氷室から温室に移り変わる時期で、地球が現在置かれている気候環境と非常に似ている。これらの化石の証拠は、植物の石炭生成プロセスや石炭生成森林の様子をそのまま示しており、気候の移り変わりにおける植物の変化を探る上で重要な参考価値を持つ。
1日に撮影された内蒙古烏海市烏達炭田(携帯電話で撮影)。新華社記者・賈立君撮影
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月7日