西蔵那曲　標高が上昇し続ける中国最高地点の地级市

　那曲は西蔵自治区北部に位置し、怒江の上流・那曲河が流れることで知られ、多くの大河川の発祥の地でもある。ここは中国で標高が最も高い地级市である。

　1000万年前、ユーラシアプレートとインドプレートに押され、青蔵高原が隆起した。現在、平均標高4000メートルを超えるこの土地は標高が年々上昇している。

　高い標高により気圧と酸素濃度が低く、乾燥し寒い。那曲の大気中の酸素濃度は海面の半分ほどで、年平均気温は零下、年相対湿度は50％前後、年平均強風日数は100日以上、沸騰温度は約85度となっている。

　樹木にとっても厳しい環境といえる。凍土層が厚く、根を張るのが難しく、那曲はかつて樹木が緑にならない中国で唯一の地级市だった。

　人々の長年の努力により、那曲は町の緑化を実現し、「木が育たない、木がない」という歴史に幕を下ろした。

　現在、市内のメイン道路、公園、広場、住宅の玄関口、苗木試験基地には高山柳、ウンスギ、サジーが根を張り、町を活気づけている。市内の大通りには「高寒都市試験植樹の推進、那曲の町の植樹の空白をなくす」というスローガンが掲げられ、この町の緑化の奮闘の歩みを伝えている。

　新華社記者 晋美多吉撮影

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年5月9日