河北省撫寧県の駐操営鎮、城子峪村に住む農家、張鶴珊さんは20数年にわたり、村の付近に10キロ余り残された、明代（1368～1644年）の「万里の長城」（城子峪長城）のパトロール、保護に当たっている。村民による薬剤採取やサソリ採り、放牧など、長城の破壊につながる行為を防ぐほか、20万字余りにも及ぶ長城観察ノートをつけ、長城にまつわる物語や伝説を記録している。張さんは2002年、農民では1人目の「中国長城学会」会員となった。撫寧県は2004年に「長城保護員」制度を導入、域内の長城を18区間に分けて18人の農民に分担巡回させているが、張さんも保護員の1人だ。天気が悪くても、張さんはいつも朝早くから山に登り、長城周辺の山道を毎日10数キロ、徒歩で巡回する。それも楽しみの1つだという。「小さい頃から長城の麓で育ったから、長城には言葉に表せないような感情がある。長城の保護は当然に負うべき責任」と張さんは語る。

写真（１）：長城の巡回をする張さん父子

写真（２）： 息子の張小光さんと一緒に、古い城櫓の高さを測る張鶴珊さん

「人民網日本語版」2006年5月25日