チベット南部の乃東(ネドン)県昌珠鎮凱松住民委員会はチベットで最初に民主改革を行った村である。50年前の春に、凱松荘園の400人あまりの農奴はチベット初の農民協会を成立した。封建的農奴制度を切り崩した民主改革はこの小さな村から幕を開けたのであった。
「農奴解放記念日のことを耳にして、旧社会を経験した我々は非常に嬉しい。現在、旧社会を経験した人はますます少なくなってきているが、決してその歴史を忘れてはいけない」とバジェさんは語った。バジェさんの両親は農奴であり、1953年、彼女は牛舎で生まれた。彼女は民主改革まで6年の農奴生活を送り、その幼少時代の苦痛は今でもしっかり覚えている。
バジェさんは新旧の社会を比較して次のように語った。
農奴主が犬にエサをやる時、私たちは囲い込むように近寄り、農奴主がツォンバを地に投げ捨てれば、私たちはすぐに駆け寄り犬と争って食べ、砂や土ごとに飲み込んだ。犬にかまれたことも度々あった。当時、私たちは自分が人間であることを知らなかった。農奴主はいつも畜生をたたくように私たちを殴った。あるとき祖父は理由もなく乱暴に殴られ、右肩胛骨を折り、一生障害が残った。
現在の生活は毎年4万元の現金収入があり、このような収入は村の中でも中の上くらいである。手元のお金が多くなれば、生活レベルも向上する。バジェさんの8人家族は300平米の二階建てに住んでおり、屋上には大きい太陽光湯沸かし器があり、家族全員が毎日入浴できる。客間の柱と家具にはチベット風絵画が描かれて大変目を引く。バジェさんは部屋の中の3本の柱を指差して、「昔の農奴主でもこのような三本柱の部屋に住んでいた者はそんなに多くなかった」と語った。
「チャイナネット」2009/03/10