映画「鑑賞」から音声機能付き携帯電話で電話をかけたりショートメッセージを発信し、また「話のできる」画面読み上げソフトを通じてネットサーフィンを楽しむ。中国・北西部に住む視覚障害者はこうした現代的な科学技術がもたらす新しい生活を楽しむことになる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
寧夏特殊教育学校視覚障害者クラスの王立鋭さんは、学校で唯一視覚障害者専用の携帯電話を持つ。視覚障害者用携帯電話には音声案内ソフトがインストールされており、どのメニューを選んでもサブメニューと内容を読み上げ、着信時には発信者番号や人名を通知する。また音声ガイダンスに従ってショートメッセージを発信することも可能だ。
寧夏福田マッサージセンターのタク建涛さんが利用しているのは、王立鋭さんよりもっと進んだコンピュータだ。普通のコンピュータに画面読み上げソフトをインストールすれば、視覚障害者用のコンピュータの出来上がりだ。タクさんによると、インターネットを通じて音楽をダウンロードしたり文学作品の朗読を楽しんだり、オンラインのニュースを聞いたりできる。またインターネットを利用することで、マッサージの過程で出会った病理上の問題を解決したり、全国各地の友達とおしゃべりを楽しむこともできる。視覚障害者用のコンピュータにはマウスは不要で、キーボードを通じてカーソルを移動してウェブページを見たり他の機能を選択したりする。
寧夏視覚障害者協会の斉大鵬主席(福田視覚障害者マッサージ保健センター主任)によると、コンピュータは視覚障害者に「翼」を与え、コンピュータで「聴く」ことを通じて様々な分野の知識を学習することができるようになる。
視覚障害者の生活範囲は制限されており、娯楽の範囲はさらに狭く、ラジオを聴くことが毎日の決まった日課といっても過言ではない。しかし2006年の「国際視覚障害者祭」で寧夏視覚障害者協会が視覚障害者100人を銀川で最も立派な映画館での映画「鑑賞」に招待し、普通の人と同じように映画を見るチャンスを提供した。
視覚障害者のいる家庭は多額の治療費を必要とするため、視覚障害者自身が社会生活に参加したり経済的収入を得るのが難しい。寧夏の視覚障害者6万3000人の中で、80%以上の家庭が貧困状態にある。「映画館で映画を『鑑賞』したり、音声機能付き携帯電話を購入、ネットを楽しむことのできる視覚障害者は大変少ない。」斉大鵬主席によると、銀川市の8000人以上の視覚障害者のうち、毎日インターネットを利用しているのはわずか20人程度だ。
「人民網日本語版」2007年8月13日