河南大学の学生300人が17日正午、中国で主食とされる「饅頭(マントウ)」を掲げ、キャンパスで厳粛に食べ物を大切にするスローガン「マントウ宣言」を高らかに叫ぶと、そのままマントウを捨てずに、一口一口ほおばった。「大河網」が伝えた。
11月17日は第63回世界大学生の日にあたる。河南大学の学生は一風変わった「マントウ宣言」で、「食べ物を大切に」のスローガンを発信した。
「食堂で食べ物の食べ残しが目に余る」と話すのはこの活動の責任者である呉鈞君くん。「行動芸術」という形を通じて、たった1つのマントウの大切さ、食べ物の大切さを呼びかけるのが目的という。
「うちの学校の食堂は約1万人が利用する。1日に4千キロ近くの食べ物が調理され、食べ残しが200キロ以上も出ている」と鄭州軽工業学院後勤集団の朱仁可・副総経理は紹介。「このままでは1年で数万キロの穀物や野菜が無駄になってしまう。これは100人が1年間食べられる量だ」と指摘する。
学生の食べ残しがないよう、食堂ではご飯を盛るときに、男子学生は2合大盛り、女子学生は1合少なめなどに量を注文することができるシステムになっている。それでも一部の学生はおいしくないのか、食べきれずに残してしまい、そのまま捨てる羽目になる。学校の食堂には「食べ物を大切に」のスローガンが張ってあるが、ほとんど役に立っていない。今の大学生は大部分が一人っ子で、経済的にも恵まれており、食べ残しやマントウの一つ二つを捨てることに何の抵抗もないという。
今では社会全体で「食べ物を無駄にしない」という概念が薄くなっている。一部ではこういう考え方を学生に教育するのは時代遅れだという人さえいる。家庭の食卓では、「食べきれなかったら無理して食べなくてもいいよ」「嫌いだったら別のものを作ってあげるよ」と言う言葉が交わされ、子どもたちに食べ物の大切さを教育している家庭は少ない。食べ物の大切さを学生に教えるのは一大事で、大学生が食べ物を無駄にするのは社会全体の意識が薄れてきていることを反映している。「マントウ宣言」は大学生が自らこの問題に気づいたことのあらわれであり、こういった教育は大学では欠かせないものだと朱副総経理は指摘する。
「人民網日本語版」2008年11月19日