国家体育場「鳥の巣」の近くで観客に道案内をするボランティア
全国からボランティア集まる
2008年は中国のボランティアたちがもっとも活躍した一年である。5月12日、四川汶川大地震で、中国災害救援ボランティア活動史上、初めて三者の歩調がうまくかみ合った。ボランティアと軍隊が歩調を合わせて捜索救助活動に当たり、ボランティアと医療チームが共に救護活動を行い、現地のリーダーや住民とボランティアがともに自力救援をしたのである。例えば、四川省の現地の多くの住民たちが自発的に街の献血車に行って献血したり、自家用車を使ってケガ人や救済物資を運んだ。全国各地からやってきたボランティアの医療チーム、セラピストチーム、学生の救助チームなどが続々四川に集まった。
北京城市学院の2年生熊述娟さん(右から3人目)は帰省中に地震に遭遇。身内を失った彼女はボランティアとして救援活動に飛び込んだ
今回の中国での大規模なボランティア活動は、これまでの災害発生時にまず政府が行動し、国民がついて行くという慣例を変えた。ボランティアは一部の人の活動で、自分の生活とはあまり関係がないとほとんどの人が思っていた。普段はボランティア活動と言えば、ほとんどが学校や「社区」(コミュニティー)が組織し活動するものであった。四川省被災地のような全国的な自発的ボランティア活動はこれまでになかった。それは人々のボランティア活動に対するイメージを大いに変え、より多くの人が積極的にボランティア活動に参加できるようにした。
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