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金融危機 倹約に走る中国の若者たち
発信時間: 2009-01-13 | チャイナネット

政府は消費刺激に力を入れ、世界的な不景気のマイナス影響を和らげようと努めているが、中国の通勤族は財布の紐を締め、洋服代から食事代まで各種の支出を抑えている。

世界金融危機の影響が中国の実体経済にまで波及するにつれ、若い通勤族に人気のサイトやブログは相次いで倹約を美徳として賞賛し始めた。

北京で働く王浩さん(24歳)は昨年6月、1週間の生活費を100元以内に抑えようという活動を始めた。これまでに5万5000人が参加しているという。「私を含め中国の若者にとって、今回の金融危機は良い勉強になったことは間違いありません」と語る。王さんは若者に人気のインターネットコミュニティや自分のブログ上でこの活動を始めた。ブログのアクセス数はすでに18万件近くに及ぶという。

中国は過去数年間で驚くほどの経済成長を実現し、国内消費を大きく推進した。30歳前後の若者たちは自分の稼いだ給料をすべて消費にまわし、デザイナーがデザインした洋服や電子製品、娯楽などさまざまな商品の購入に用いた。

しかし今、一部の人たちは倹約を始めている。

生活費を抑える活動を行っているのは王さんだけではない。あるサイトも「1週間を100元で乗り切る」という同じような活動を行っている。一回の食事を10元以内に抑えるなどといった節約術を伝授するネットコミュニティやサイトもある。

あるサイトは「金融の厳しい冬を越す10のモットー」として、仕事を辞めない、起業しない、車を買わない、子どもを生まないなどを提唱している。

政府も、毎年1500万の新規労働力に必要な就業の機会を提供することを保証するため、「保八」(成長率8%確保)を決定した。中国共産党と政府が打ち出した4兆元の景気刺激策の要中の要である。しかし、これによって内需拡大が可能なのかどうかについては懸念を示すエコノミストもいる。

北京国信証券のあるシニアアナリストは、ほとんどの倹約活動は草の根的なものであるが、消費者の自信が低下していることを反映しており、もしこれが引き続き蔓延すれば、経済に深刻な影響を及ぼすと指摘する。「自信は数量化することはできないが、経済にとってきわめて重要である」と語る。

市場調査会社のIpsosグループが12月に発表した調査によると、2008年11月に自国の経済情勢は良好だと答えた中国人は約46%だった。

ドイツ銀行(香港)大中華区チーフエコノミストの馬駿氏は、一部の物価が急速に下落していることにより、2008年の小売売上高伸び率は当初予測の21%に及ばず、13%ほどに止まると予測する。

100元で何ができる?

西側諸国の若者と同じように、北京、上海、広州など中国の大都市の若いホワイトカラーたちは支出が収入を上回る傾向にある。上海市政府が2008年11月に行った調査によると、中国の金融の中心である上海の通勤族の1月当たりの平均支出は2500元。昨年9月の政府統計では、中国の都市部住民の平均月収は2192元であることから、上海の通勤族は収入よりも多く支出していることがわかる。

小型の電子製品やぜいたく品などの高価な商品が中国では飛ぶように売れる。特に若い世代の中には、矢も盾もたまらず給料のすべてをアップル社のiPhoneなどにつぎ込んでしまう人もいる。

王さんも社会人になってから、半年に一度は携帯電話を買い換えていた。「でも金融危機が発生してからは、大きなプレッシャーを感じるようになりました。私の会社は外資が入っているからです」。失業を心配しているのだと話す。

若者たちの多くは、王さんと同じように心配し、消費を抑えるようになった。1週間を100元で乗り切るというほど極端ではなくても。

王さんはできる限りの方法で1週間の食費や交通費、娯楽費を100元以内に抑えようと考えている。しかし北京で100元に相当するのは、マクドナルドのビッグマック9個、ガソリン約半タンク分、1カ月のネット接続料、映画のチケット2枚といったところ。王さんは倹約のために、ピザを食べずに中華まんじゅうを食べ、公共交通機関を使わずに毎日自転車に乗って通勤している。

「大切なのはお金を節約することではなく、低いコストで質の高い生活を手に入れること」と話すのは林宇飛さん(24歳)。林さんは人気のSNS「豆瓣網」に「1週間100元」というコミュニティを作った。そこには、「毎日通勤に10元かかる私は、残りの50元で生活しなければならない」という書き込みもある。

「チャイナネット」2009年1月13日

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