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ネズミの銅像 |
パリの競売会社クリスティーズ社が中国・円明園から流出したネズミとウサギの銅像の頭部をオークションにかけるのを前に、国宝返還を求める中国弁護士団の動きが無数の中国人をはじめ、世界各国のメディアの注目を集めている。「環球時報」が伝えた。
パリの裁判所で現地時間の23日午前11時30分、中国の国宝のオークションを中止するかどうかが審理されることになっているが、これに先駆け、現在ウサギとネズミの銅像の所有者であるピエール・ベルジェ氏の方でも文化財を返還する上で、中国にダライ・ラマ14世を西蔵(チベット)に戻らせるよう条件を出してきた。この場違いな言動によって、文化財論争が強烈な政治色を帯びてしまった。
先週末、大勢の芸術愛好家と投資家がパリに集まり、美術品のプレオークションに参加した。これらの美術品はフランスのデザイナー、イブ・サンローラン氏が所蔵していたもので、現在は彼のビジネスパートナー兼恋人であったピエール・ベルジェ氏が所有している。中国・円明園から流出したネズミとウサギの銅像は今回出品された美術品の中でも最も注目を集める文化財のひとつとなっている。
今回のオークションをどうにか中止させたい中国弁護士団の働きかけも大詰めを迎えている。欧州保護中華芸術連合会(APACE)が原告となり、中国系弁護士の任暁紅氏に依頼して19日パリの栽培所に訴状が提出され、緊急にクリスティーズ社に中国の文化財をオークションに出品するのを中止するよう要請した。この訴状には、2体の銅像がどこに帰属するかはなお争議中であるため、今回のオークションは一時中止すべきだという内容が盛り込まれている。パリの裁判所は23日に本件の審理を行うことを決定。法によると、判決が出るまでは、クリスティーズ社は中国の文化財2体をオークションに出品してはならないという。しかし任弁護士は21日、同紙の記者に対し、裁判所が今回のオークションを阻止するのは「非常に困難」だともらした。
「人民網日本語版」2009年2月23日
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ウサギの銅像 |