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経済危機がもたらした海外華人の就業難
発信時間: 2009-02-24 | チャイナネット

世界の経済情勢が悪化の一途をたどっている。この影響を受け、世界各国の失業者数は増える一方だ。一部の国では、外国人の排斥ムードが顕著に表れ、海外華人が海外で就業することがますます難しくなってきた。米国、英国、ロシアなどの国々においても、経済情勢の悪化が原因で、華人の就業に大なり小なりのマイナス影響が及んでいる。新華社が伝えた。

米国上院はこのほど、米国政府から支援を受ける米国銀行が従業員を雇用する場合、米国国民を優先させるよう求める内容の決議案を可決した。「米国人雇用」案が可決署名を経て法令化された場合、政府支援の対象となっている全米の銀行300数行に適用されることになる。これらの銀行は、従業員を新しく雇用する場合、米国人を優先的に雇い入れなければならない。

これらの規定は、決して華人だけを対象としたものではないが、米国に住む華人へのダメ?ジは避けられない。ウォール街で20年以上仕事をしてきたある中国人によると、華人の管理職は、金融危機が訪れた時、いとも簡単にリストラされたという。

米労働省は昨年12月、米国企業が外国籍の従業員を雇用する際に米国人従業員を削減することを防ぐ目的で、就労ビザ申請に対する緊縮策を講じた。2008年10月1日から12月31日までの労働省によるビザ申請に対する拒絶率は30%を上回った。それ以前の拒絶率は22%にも満たなかった。

英国に住む華人もまた、人員削減の波をまともに被った。彼らは金融危機と新移民政策というダブルパンチを受けている。英国の新移民政策によって、移民担当職員が申請者の収入、年齢、学歴、英語能力レベルなどを採点するというポイント制が昨年2月にスタートした。その目的は、「技能の低い外国人」の国内流入を遮ることにある。この新政策で最も影響を受けたのは、飲食業従業者だった。金融危機は華人によるレストラン経営を苦境に陥れた。さらに、新移民政策によって、多くのレストランから華人コックが姿を消し、休業せざるを得なくなった。

ある英国人弁護士は、経済低迷期にある今こそ、華人は移民申請、留学、就業を行う際に、英国の法律、政治、経済発展すう勢について学ぶ必要があると指摘する。また仲介者を慎重に選ぶことも大切だ。その理由は、英国国内での申請時に、身元に関する偽造文書や情報が提供され、刑事事件に発展すれば、英国政府から訴えられる恐れがあるためという。

ロシアの通信社「ノーボスチ」の中国語ウェブサイトは、ロシア政府が外国人労働者の割り当て枠を縮小する計画だと報じている。同報道では、業界専門家が、中国人がロシアで求職・就業することを妨げることにはならないと分析している。しかし、ロシアの失業状況はかなり深刻で、政府はロシア国民の就業問題を優先的に解決することはやむを得ないと見られる。

日を追って高まる排斥ムードがヨーロッパ全体を急速に巻き込むのではないかと専門家は懸念する。スペイン労働相はこのほど、「330万以上の失業人口を抱える国家は、就業のチャンスを本国の国民に優先的に与えるべきだ」と明言した。

高まりつつある保護主義に対して、多くの批判の声が挙がっている。米ウォール街にある某投資銀行の総裁を務めるベンジャミン氏は、「政治家は選挙票の獲得を狙って、愚かな政策決定をしている。これらの措置が国家の危機を救うものだとは私には思えない。彼らが国籍により外国人従業員を排除しなければならないとすれば、優れた人材は当然、より大きな吸引力を備えたその他の国に流れるだろう」とコメントしている。

「人民網日本語版」2009年2月24日

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