オークションで落札したブロンズ像の支払いを拒んでいる廈門(アモイ)の商人、蔡銘超氏は一夜にして注目を集める人物となった。そんな蔡銘超氏は「これらのブロンズ像は他の出品物と違って論争の的となっている。自分の行為が業界内に悪影響を与え、名誉が大きく傷つくことはわかっている」とコメント。
国家文物局は2月26日、オークション終了後の通達で、「クリスティーズ社がフランスのパリでオークションにかけたねずみとうさぎの頭部のブロンズ像は円明園から違法に流失したものだ。クリスティーズ社が中国で出入国申請をした文物であれば、合法的な証明を提供できるはずだ。さもなければ文物の出入国手続きをすることができない」、と明確に指摘している。これについて、蔡銘超氏は「自分は一人の中国人として中国政府の規定を遵守しなければならない」とし、「中国のほかのコレクターも今後同じ行動をとると信じている。2点の落札品が入国できないのなら、当然支払いもできない。今回の結果はクリスティーズ社が収拾すべきだ」との考えを示した。
円明園の海外流出文物を追跡している弁護士団のメンバー、徐弁護士は昨日、競売中に詐欺または悪意の談合があった場合、法令に基づいて、刑事処分が科せられると説明。クリスティーズ社が蔡銘超氏の法的責任を追及すれば、蔡銘超氏の民事賠償額は小さな数字では済まされないだろう。「最悪の場合、蔡銘超氏は数カ月から数年の刑事処分に科せられる」と徐弁護士は話す。しかも今回は国と国の間の引渡し問題も絡んでいるため、事態はさらに複雑となる。このため今のところ事態の発展状況を見守る必要がある。
これをきっかけに知名度を上げようとしているのでは、というインターネット上の多くの声に対し、蔡銘超氏は「こういう考えを持っている人はオークションの状況をあまり理解していない。オークションの落札代行は誰でも依頼できるものではない(蔡氏はオークション会場には行かず、電話を通じて落札を委託した)。オークションの前に代行業者とお互いに交流し、ある程度の基礎ができていいないと、依頼を受け入れてはくれない。知名度を見込んでできることではない。多くの人にこのチャンスがあっただろうが、そのチャンスはわたしのところに巡ってきた。他の人がしないことをわたしがしたまでだ」と述べた。
「人民網日本語版」2009年3月4日 |