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上海戸籍新政策:現時点で戸籍を得られる人は少数
発信時間: 2009-03-16 | チャイナネット

上海の戸籍新政策が先月23日打ち出され、広く注目を集めている。

「新政策」の規定によると、「居住証を戸籍に変更」するためには次の5つの条件を満たしている必要がある。▽上海市居住証所持満7年▽上海市都市・鎮社会保険に加入満7年▽居住証所持期間中に、法に基づき上海で所得税を納付▽上海で中級以上の専門技術職として働いているか、技師以上の職業資格を有し、かつ専門および職種に対応している▽法犯罪およびその他不良記録を犯していない者。新政策の試行期間は3年。

「これまで長年にわたり新政策を待ち望んできました。でも実際は期待にはほど遠かった」。田暁清さんは今年34歳、上海で暮らし既に10年になるが、戸籍新政策について、失望を感じているという。

実際、田さんのように失望している「上海長期滞在者」は実に多い。現在上海市居住証を所持しているのは400万人。上海の現在の常住人口は約1900万人、そのうち約600万人以上が上海戸籍を有していない。

関連部門によると、新政策の「満7年」条件に適合する人は3千人だが、その他の条件に適合する人となると、人数はさらに少なくなる。今回の戸籍新政策に対しては施行直後から疑問の声が上がっており、一部の人々は、今回の措置は社会保険基金の不足を補うためのもの、あるいは様々な圧力を受けての「上辺だけの政策」だと考えている。

昨年、上海市共産党委員会研究室の「上海戸籍制度改革方案」に関する課題研究に参与した華東師範大学人口研究所の王大犇・副教授は、「上辺だけの政策や社会保険基金の不足を補うというのは大きな誤解だ」と述べる。

王副教授によると、社会保険は権利と義務によるものであり、今回の対象者が都市社会保険に加入していれば、戸籍問題解決後、高齢者となった際に上海で社会保険の福利を受けることができる。「戸籍新政策は毎年わずか数万人しか解決できないが、現在上海養老保険の不足額は100億元以上に上っている。財政移行支出でしかこれを解決できない」。

2002年の上海市居住証制度に関する文書には、居住証所持が一定期間に達し、条件を満たす場合には上海戸籍が取得できると記されていた。2008年になり、居住証を申請した第一陣の人々の所持年数が既に6年となり、積もりに積もった期待が各種圧力へと転化し始めている。例えば、上海に安住できない人が多ければ、人材確保にも影響するという上海企業は少なくない。王副教授は、まさにこのような社会的背景の下、2008年、上海市は居住証の戸籍移転政策の研究に着手したと語る。実際、関連部門は過去に幾度にもわたって同様の調査研究を行っている。

「人民網日本語版」2009年3月16日

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