マレーシアのジャングルの中にあるブキッ・メラ・レイクタウン・リゾート(Bukit Merah Lake Town Resort)には、一風変わった新生児専用の保護施設がある。この施設のユニークなところは、保護対象が全てオランウータンの赤ちゃんだということだ。英国「デイリー・メール」紙が18日に伝えた。
同施設は2004年3月に建設され、これまでに絶滅の危機に瀕するオランウータンの赤ちゃんを23匹保護してきた。保護されたのは全て、生まれてすぐに母親から捨てられてしまった赤ちゃんだ。これらの赤ちゃんのほとんどは母乳で育てられなかったために深刻な栄養失調に見舞われており、専門家による保護が無ければ、命も危ないという。幸運なことに同施設では、オランウータンの赤ちゃんたちは人間の赤ちゃんと同じような待遇を受けている。スタッフたちは2時間ごとに赤ちゃんにミルクをやり、血圧、血液中の酸素量、脈拍などを測る。また毎朝、消毒水で赤ちゃんの体をきれいにし、体重を量り、専門の獣医が検査を行う。空いた時間にはスタッフたちが「お母さん」となって、赤ちゃんを抱っこして一緒に遊ぶ。全ての赤ちゃんは1歳になったときにこの施設を離れ、専門機関で野外での生活方法を学んだ後、自然へと帰されるという。
世界自然保護基金(WWF)によると、出生率の低さと、居住環境の破壊により、オランウータンは絶滅の危機に瀕している。現在、個体数はわずか3000匹だという。
「人民網日本語版」 2009年3月23日
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