山東省済南市十六里河街道事務所呉家村の共産党支部書記である董西慶さんは、ここ数日、面接試験の結果をいらいらしながら待っている。順調に行けば4月中旬には、董さんは村の幹部から政府の公務員に転身する。

山東省では3月中旬、優秀な村の党支部書記から郷や鎮の政府機関の公務員を選ぶ試験が行われ、董さんたち1109人の村の幹部が受験した。今回の試験は去年に一部の地域で試行された基礎のもと、全省で実施されたものだ。

中国には行政単位としての村が約60万あり、約500万人の村の幹部がいる。政府はここ数年、農業、農村、農民の「三農」の支援を拡大しているが、村の行政を管理し農村経済や社会発展に奉仕している村の幹部たちは公務員に属さない。

この2年、中国の一部の省（市）では、優秀な村の幹部から公務員を選ぶ試験的作業を行い、村の末端幹部を激励して保障するメカニズムを確立し始めている。

山東省は昨年、濰坊と聊城で行い、今年は省全域に広げた。また同じように試験的に行われていた湖北省や重慶市、湖南省などでも着実に実施されている。

今回の試験に参加した山東省済陽県崔寨鎮谷廟村の張徳蘭書記は、全国女性労働模範の栄誉賞にも輝いたことがある末端幹部だ。張さんは、「村の幹部から公務員が選ばれるということは、長年にわたって農村に奉仕してきた多くの優秀な幹部に望みを与え、政治上では見込みがなく、生活の保障がないなどという農村の末端幹部が抱える問題もようやく解決する」と話す。

「チャイナネット」2009/04/03