世界保健機関(WHO)は25日、メキシコと米国で起こっている豚インフルエンザ感染は「国際的に心配される緊急事態」だとの見方を明らかにし、インフルエンザや肺炎の異常な広がりへの監視とコントロールを強化するよう各国に注意を呼びかけた。香港紙「文匯報」は27日、豚インフルエンザは世界各地に広がっている兆候があり、アジア太平洋地区・欧州・中東などでも感染が疑われる症例が見つかっていると伝えた。ニュージーランドでも、メキシコ研修から帰ってから不調を訴えていた高校生10人がインフルエンザ検査で陽性反応を示し、豚インフルエンザ感染を疑われている。
WHOによると、豚インフルエンザ感染緊急対応委員会の提案に基づき、陳馮富珍WHO事務局長は、現在の感染状況が「国際的に心配される緊急事態」であるとの認識を示し、インフルエンザや肺炎の異常な広がりへの監視とコントロールを強化するよう各国に注意を呼びかけた。WHOは今後、旅行・貿易の制限や国境閉鎖について拘束力の伴わない提案を行う予定だ。
WHOは現在、インフルエンザの警戒レベルを目下の「フェーズ3」から引き上げるかどうか検討しており、さらなる情報の収集を進めている。WHOのインフルエンザ警戒レベルは6つに分かれている。下から3番目の「フェーズ3」は、「新型インフルエンザを発症する人はいるものの、人から人への感染は力強く長続きするものではない」という段階だ。
中国衛生部のウェブサイトによると、中国での感染はまだ発見されていない。だが衛生部は、豚インフルエンザの人への感染を防ぐための知識を市民に普及させ、市民の自己防御能力を高めることを呼びかけている。
「人民網日本語版」2009年4月27日 |