世界各国が新型インフルエンザ(N1H1)の対応に追われる中、世界の卸売り市場として知られる、義鳥(浙江省)ではそのスピーディなネットワークを通じて、急激に売れ行きが伸びている医療用使い捨てマスクを世界各地に発送している。「中国義鳥小商品城」マーケティング部の最新統計によると、海外への販売数が1日当たり500万枚以上にのぼるという。
雑貨卸店の集まる「義鳥国際商貿城」でマスクを売る店は100軒以上。マスクが掛かっている店だと、客が立ち止まって、それぞれのマスクの値段や在庫を聞いている様子がみられる。
医療防護用品を販売する何栄華さんは、「うちの電話はもうパンク寸前だよ。みんなマスクの発注だ」と、値段を聞いてきた客と話しながら、「Health gauze mask」(ヘルスガーゼマスク)とプリントされたマスクを記者に見せ、「この青いタイプの、50枚入りの使い捨てマスクが一番よく売れる。昨日一日だけで10万箱出たよ。前だったら1週間に数箱しか売れなかったけど、今だと1コンテナごとの計算だよ。欧米の客が一番多いけど、日本や韓国の客も少なくないよ」と紹介してくれた。
同じくマスクを売っている周さんも、「質がよくて安価な『不織布(ふしょくふ)』のマスクが一番の売れ筋だ。もう在庫もカラッポで、来月分まで予約でいっぱいだ」と話す。
商店だけではなく、各地のマスク生産メーカーも供給を確保しようと大忙しだ。
「人民網日本語版」2009年5月11日 |