社会各界の注目を集める「食品安全法」の施行が1日、スタートした。生産現場における生産者の責任を明らかにし、各基準項目を規格化し、政府の監督管理職責制度を完備した「食品安全法」には、全く新しい理念と制度が盛り込まれることで、国民のための厳密な食品安全ネットワークが完成した。
同法では、国家による食品リコール制度の導入を規定している。食品生産者は、自社製品が食品安全基準に符合していないことを発見した場合、直ちに生産を停止し、市場で販売されている食品をリコールし、関連する販売者と消費者に通知を出し、リコールおよび詳細状況を説明しなければならない。
従来の食品品質検査免除制度は、監督管理部門が自らの職責を放棄し、隠れた危険性を食品に植え付ける原因となっていた。「三鹿乳幼児用粉ミルク事件」によって、この制度の問題点が暴露された。「食品安全法」では、食品安全監督管理部門は食品の品質検査を免除してはならないと明確に規定している。県レベル以上の品質監督、工商行政管理、食品薬品監督管理各部門は、食品に対する定期・不定期サンプリング検査を実施しなければならない。
中国の食品安全基準は、あまりにも雑多で混乱しており、法律を順守する企業が進むべき方向性を見失い、不法企業に逃げ道が残されているのが現状だ。「食品安全法」は、このような混乱現象の対応措置として、国務院衛生行政部門が現行基準(食用農産物品質安全基準、食品衛生基準、食品品質基準、食品関連業界基準)における強制基準を統合し、食品安全国家基準として統一的に公布しなければならないと定めている。
このほか、「食品安全法」では、食品生産者の社会的責任が特に強調されている。食品生産者は、社会・一般大衆に対して責任を負い、食品安全を保証し、社会監督を受け入れ、社会責任を担うことが求められる。「食品安全法」は、食品生産者が安全責任を一つ一つ着実に果たせるよう、これに対応する一連の制度を確立した。
「人民網日本語版」2009年6月1日 |