中国初「棋聖」の称号を授与された棋士──聶衛平
聶衛平は1952年生まれ、北京出身。少年時代に陳毅元帥としばしば対局し「中国の囲碁文化を継承・発展させ、日本を超える使命は君たちの世代に託されている」と励まされた。このため、幼い頃から祖国のために力を尽くし栄誉を勝ち取ることを目標にしていた。
1973年に目覚しい勢いで頭角を現した後、第1回国手賽(国手戦)、第3、4回全国スポーツ大会、および第1回世界アマチュア囲碁選手権で優勝した。1976年に訪日し、当時本因坊タイトル保持者であった石田芳夫に勝利し、中日囲碁交流における中国チームの初勝利に大きく貢献した。
1984年10月から1988年12月までの4回の擂台賽(中日スーパー囲碁)では、中国が3勝1敗でリードし、聶衛平は11連勝を達成。7大タイトル保持者を含む日本の超一流の棋士たちをいずれも退けた。中国の囲碁がやや立ち遅れた状態から日本に対抗するまでにレベルを向上させる中で、聶衛平が果たした役割は大きい。擂台賽において聶衛平が主力として中国の3連勝を導いたことから、1988年には国家体育運動委員会(現在の国家体育総局)から中国初の「棋聖」の称号を授与された。また、全国スポーツ選手ベストテンにも4回選出されている。
中国初の全面的に参加した夏季オリンピック──ロサンゼルス五輪大会
1984年に開催された第23回ロサンゼルスオリンピックは、中華人民共和国として夏季オリンピックに初参加した大会となった。中国選手は15個の金メダルを獲得した。
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