中国初のオリンピックフェンシング・女子フルーレ金メダリスト──欒菊傑
1984年8月3日、国際フェンシング連盟のブルサーティ会長が中国フェンシング界のヒロイン・欒菊傑に金メダルを掛けると、場内は大きな拍手と歓声で沸いた。
欒菊傑は1958年9月14日江蘇省南京生まれ。幼い頃からスポーツに親しみ、当初陸上とバドミントンの訓練に励んでいたが、後にフェンシングに転向した。フェンシングはヨーロッパの伝統スポーツであることから、長い間ヨーロッパ勢の独壇場となっていた。だが、生来勝気な性格の欒菊傑は強豪選手に果敢に挑み続けた。1978年3月にスペインで開催された第29回世界ジュニアフェンシング選手権で、(旧)ソ連の選手に腕を突き刺され負傷したにもかかわらず、力を振り絞って戦いライバルに勝利し、女子フル-レ2位を獲得した。1901年にフェンシング国際試合が開催されて以来、アジア選手が決勝進出を果たしたのはこれが初めてとなった。その後のアジアや世界の試合で度重なって優勝を獲得した。
第23回ロサンゼルスオリンピックの女子フルーレ決勝戦で、欒菊傑はライバルを次々と破り、(旧)西ドイツのベテラン選手・ハニッシュに勝利し、金メダルを手にした。
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