ウィーンに拠点を置く国連薬物犯罪オフィス(UNODC)が24日発表した「2008年世界薬物報告」によると、世界的に長い歴史を持つ薬物市場は停滞あるいは縮小傾向にあるものの、新型薬物の生産と消費が拡大すう勢を示しており、現在の世界の薬物および薬物関連犯罪のまん延は非常に深刻であることが判明した。
同報告によると、昨年の世界の主な薬物生産は、アフガニスタンおよびコロンビアで生産量がいずれも減少、うちアフガニスタンのアヘン生産は19%減少、コロンビアのコカイン生産は28%の減少となり、全世界のコカイン生産は過去5年で最低の水準となった。
薬物利用においては、大麻、コカイン、アヘンなど従来からの薬物の消費市場が、世界各地でいずれも基本的には拡大停滞あるいは縮小傾向にある。しかしながら、アンフェタミン、スピード、MDMAなど人工合成薬物の利用が拡大しており、とりわけ発展途上国および新興工業国では、これらの新型薬物の消費は明らかに増加すう勢にある。
同報告は、現在世界の薬物および薬物関連犯罪すう勢は極めて深刻であり、特に一部の貧困にあえぐ発展途上国で薬物の生産と消費が急速に拡大しており、薬物に関連する各種の深刻な暴力活動は日増しに増加、薬物が刑事犯罪、密輸入、腐敗、さらには組織的な多国籍犯罪などと密接に関わっていると指摘している。
「人民網日本語版」2009年6月25日 |