江蘇省塩城市の塩都区人民法院（裁判所）は14日、塩城市で2月20日に起きた水質汚染事件の容疑者で元塩城市標新化工有限公司董事長の胡文標被告に毒物混入の罪で懲役10年とする一審判決を言い渡した。胡被告はその他の罪と合わせて懲役11年の実刑判決が確定した。違法排水により深刻な環境汚染事故を招いたとして、毒物混入の罪で判決が下されたのは初めて。「成都日報」が伝えた。

　中国ではこれまでこういった類の汚染事件に対し、重大環境事故汚染罪として容疑者に刑事責任を追及していた。南京大学の法律学者・顧翔氏によると、中国の裁判所が新たな罪によって環境を汚染した者への刑事責任を追及することで、その罪はより重く刑期はより長くなった。中国が深刻な環境汚染事件を打撃するべく力を入れ始めたといえる。

　事件の背景：

　07年11月末から09年2月16日にかけ、元塩城市標新化工有限公司董事長の胡文標と工場長兼現場主任の丁月生は、同社が環境保護部門から排水を禁止されている企業であり、かつクロロフェノキシを生産する過程で出てくるシルビン排水に有毒有害物質が含まれると知りながら、大量のシルビン排水を同社北側にある五支河に垂れ流した。その汚水が塩城市の水源となる河に流れ込み、2カ所の浄水場が汚染され、今年2月20日、水源の汚染によって同市の20万人以上の住民宅で66時間40分にわたって断水となり、大きな損失がもたらされた。

　｢人民網日本語版｣2009年8月18日