ロンドン五輪で金メダルの期待がかかる劉翔選手が、北京時間15日未明に行われた国際陸上競技連盟(IAAF)ダイヤモンドリーグ・ロンドン大会男子110メートル障害決勝戦を棄権した。アリス・メリット(米国)選手が今季最高タイの12秒93で優勝した。試合後、劉翔選手は、肋骨の部分に痛みを感じたため、決勝戦の欠場を決めたが、これが五輪の試合に影響することはないと話した。北京の日刊紙・京華時報が伝えた。
ダイヤモンドリーグ・ロンドン大会は、劉翔選手にとって五輪前の最後の試合で、ちょうど29歳の誕生日に行われた。予選は組一着の13秒27で通過した。その後の決勝のスタートラインに立ったのは、米国の選手ばかり6人、劉翔選手の姿はなかった。
優勝したメリット選手は、追い風0.6メートルというコンディションの中、12秒93という今季最高タイの好成績を残した。劉翔選手はこれまでに、米国で12秒87を出したが、風速が基準を越えていたため、公認記録とならなかった。第2位は、劉翔選手の宿敵・ジェイソン・リチャードソン選手で、タイムは13秒06。
劉翔選手は試合中ずっとイアホンをつけ、ウォーミング・アップ・エリアで地面に座っていた。決勝が終わった後、李国雄コーチが撮影した決勝のビデオを真剣に観賞、後輩の謝文駿選手と少し雑談したあと、試合会場を後にした。関係者によると、劉翔選手は予選が終わった後、肋骨の部分に違和感を覚え、気温がかなり低く地面のコンディションも良くなかったこともあり、決勝を欠場することに決めたという。とはいえ、不調はそれほど深刻なものではなく、五輪の試合に影響することはない模様だ。当日は誕生日だったが、夜にお祝いの食事会は行われなかった。劉翔選手は「試合直後で、身体がかなり疲労していたため、夜は身体の回復を優先させた。ロンドンに来る前に、中国で誕生日パーティをしたので、ロンドンでは行わなかった」と話した。
劉翔選手の決勝戦での活躍ぶりをテレビの前でワクワクしながら待っていた多くの人々にとって、棄権は大いに予想外だった。試合後、ネット上もこの話題で盛り上がり、さまざまな憶測や意見が飛び交った。劉翔選手のコンディションを心配する声と同時に、彼の棄権は、五輪の大舞台を前にした意図的な策略だったのでは、という声も多く挙がった。
「人民網日本語版」2012年7月16日