米コンサル会社 米コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、24日に発表した報告書「世界労働力報告・35億人の職業、賃金、技能」の中で、「この先20年、労働生産率の向上が中国の経済発展で一層重要な課題となる」と指摘。「さらに発展の変化に歩調を合わせるため、中国は世界の労働力市場において、一層重要で新たな役割を担わなければならず、最大のハイテク労働力供給タンクとなるだろう」とした。人民日報傘下の経済紙「国際金融報」が報じた。
報告書によると、中国の労働力の構成は過去10年の間に大きく変化した。例えば2010年の時点で、中国の中等教育のカバー率は60%に達し、中国全土の農業・都市の労働力教育の向上という問題を一貫して重視してきた。また、過去20年の間に、中国の高等教育のカバー率は5倍に増加し、発展途上国の中でも飛躍的な成長を見せている。
さらに過去30年を遡って見ると、発展途上国は9億人の非農業職の雇用を創出し、何億人もの人が貧しい暮らしから脱却。世界の労働力市場において顕著な成果の1つとなってきたことに疑いの余地はない。うち中国は製造業やサービス業の発展の過程で、1億2100万人の非農業職の雇用を創出してきた。世界的に見ると、中国の非農業職雇用は世界の30%を担っている。
将来に目を向けると、中国はこの先20年の間に、労働力総量の成長率が2010年に比べて半減の年間0.5%増ほどに低下するとみられている。また世界の先進国と中国の退職者が世界全体の40%を占めるという世界的な高齢化問題にも直面することになる。
さらに、先進国、発展途上国のいずれにしても、労働力市場の需要と供給の不均衡が日に日に顕著になり、労働力の不均衡が世界経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されている。技能の低い労働者の失業率が急速に高まる一方、高い技能を持つ人材は不足することから、世界の経済成長率が落ち込むことになる。
「人民網日本語版」2012年7月25日