「年金体系の試練となる3300万人の要介護老人たち」という文章が発表され、年金に対する憂慮が広がった。その後、中国人力資源社会保障部のスポークスマンである尹成基氏が発表した年金赤字に対する回答も話題になった。このところ、社会保障や年金が世間で話題となっている。
現在、中国の老後モデルは以下の3つに分けられる。家庭養老モデル、土地養老モデル、社会保険モデルである。しかし社会が発展するにつれて、伝統的なモデルが崩れる可能性がある。
家庭養老モデルは儒教文化の「孝」を強調したものである。老人の世話をしたり、老人が精神的なよりどころを求める場所としての家庭は、代替できない役割を担う。そのため、家庭養老モデルは依然として中国の農村における主要なモデルとなっている。しかし、近年の著しい労働力の流動化によって、農村の労働力が大中都市に移動し、過疎化する農村が日増しに増えている。そこから生じる影響は、老人の寂しい気持ちだけにとどまらない。子供がそばにいないことから、伝統的な家庭養老モデルが成立しなくなりつつあるのだ。
さらに農村養老保障の最後のセーフティネットである土地養老モデルも、危機にさらされるようになった。広範な農村開発が耕地面積を徐々に減少させていると同時に、新しい世代の農村民は農業技能を失い始めているのである。
安徽省の新しい世代の農村民に対して行った調査によると、80%が農業技能を失っている。若い農村民の多くが、故郷の土で生きる方法を知らないのだ。
3300万人いる要介護老人:複数制度で基本的な生活を保障
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月28日