2010年末時点で、中国には介護の必要な老人が3300万人いる。家庭では支えきれないほどの負担、しかし養老院などの施設では受け入れられない…。3300万人の不自由な老人たちには行き場がない。
中央財経大学保険学院教授で、中国社会保障研究センター主任の褚福霊氏は、中国にはこれらの老人や障害者に対する制度的保障があると指摘する。
「まず、我々には最低保障制度がある。生活が一定基準に満たさない場合、最低生活保障によって支援を受けることができる。次に、身寄りのない老人に対しては老年福利制度がある。街に住む老人は福利院に入ることができ、農村に住む老人は敬老院に入ることができる。これらは保障されているものである。病気の老人や「五保(衣・食・燃料・教育・葬儀の五つを保障する制度)」を申請した老人ならば、国家が面倒をみることになる。」
識者:年金が赤字でも準備金があり、心配は不要
中国人力資源社会保障部のスポークスマンである尹成基氏は、年金保険の準備金は今年上半期に2兆円に達したことを明らかにした。全体的に見て年金保険基金の収入は支出を上回っており、現状は年金赤字問題が存在しないと述べる。
褚福霊氏も、年金は赤字になっておらず、毎年剰余金が出ており、資金が潤沢であると述べる。統計データから見ると、黒字額はおおよそ1兆5000億元から2兆元であり、現状のところ赤字に陥ってはいない。
「今後、年金に赤字が生じたらどうなるのか」との問いに対して同氏は、「もし今後、本当に赤字が生じたとしても保障されるだろう。第一に、政府の信用にかかわる問題だからである。第二に、準備金が潤沢だからである。だから心配は不要であり、国民は安心して良い。」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月28日