いつからだろう。「憂鬱だ」、「イライラする」という言葉が口ぐせのようになった。しいては、精神疾患の名前をよく口にするようになった。そんな人も多いだろう。このような言葉は、とりとめもない単なる会話なのだろうか。それとも多くの人々の本当の気持ちを表しているのだろうか。米ミシガン大学の社会研究所が2009年末にまとめた幸福調査の結果は、「中国人は10年前より幸福ではない」という答えを導き出している。人民日報が発行する健康週刊紙「生命時報」が報じた。
「幸福とは何か?猫にとっての幸福とは魚を食べることで、犬にとっては肉を食べること。ウルトラマンにとっては怪獣を倒すこと」。ここ数年、中国の社会ではこんな言葉が流行っている。多くの人が衣食住の面ではすでに満ち足りたにもかかわらず、こんな言葉を度々口にするということは、決して幸福になっていないということだろう。それを裏付けるかのように、2010年に清華大学(北京)で開催された「中国国際ポジティブ心理学大会」では、「回答者6万9千人のうち、90%が孤独感を抱え、46.9%が今の生活にそれほど満足していない」とする研究結果が発表されている。
收入は増えているのに、どうして幸福感は下がるのだろうか。米ホープカレッジ(ミシガン州)の心理理学教授が過去に、お金と幸福の関係に関する聞き取り調査を行ったところ、「お金がないよりはあった方が幸せだろうが、お金があれば幸せになれるというわけではない」という回答が最も多かった。これは、多くの経済学家や心理学家の研究結果とも合致している。「衣食など生活の基本的条件が満たされると、お金や名誉がもたらす幸福感は少しずつ減少し、その副作用がいつの間にか現れてくる」と言えるのかもしれない。