ここ数年、中国ではさまざまな海外旅行商品が販売されるようになっており、中国人向けの査証(ビサ)の発給に関する政策を緩和する国も増加している。しかし、ある国際旅行サイトの調査によると、中国人は旅行先で多くのお金を落とすにもかかわらず、来てほしくない観光客ランキングで米国人に次ぐ2位になっている。礼儀の国・中国の国民が一体どうして海外で嫌われているのだろうか。中国国営のラジオ局「中央人民広播電台」のウェブサイト「中国広播網」(CNR)が報じた。
中国は、「国慶節」(中国の建国記念日、10月1日)に伴う大型連休を間近に控えている。そんな中、筆者が幾つかの旅行社を訪ねてみると、欧米諸国へ向かう観光ツアーは早くに完売し、東南アジアの離島へ向かうツアーも売り切れ間近と告げられた。海外旅行ブームにより、ツアーの価格も自然と高騰している。世界有数のリゾート地として知られるタイのプーケット4泊6日の旅は、連休中の10月3日出発で、7480元(約9万円)と高騰している。その他の旅行先も平常より2割高以上になっている。しかし、そんなことはお構いなしとばかりに、中国での海外旅行ブームは過熱の一途をたどる。
しかし、中国人は多くのお金を海外旅行に費やしているものの、受け入れ先の国ではあまり喜ばれていない。最も来てほしくない観光客に関するある調査によると、米国人観光客がトップで、中国人観光客が僅差の2位となっている。一方、ある国際的な組織が実施した世界各国の観光客のイメージに対する評価では、中国人観光客はワースト3位に終わっている。話す声が大きく、騒がしいというのが、海外の中国人観光客に対するイメージのようだ。
中国観光研究院の戴斌院長は「集団で固まって行動し、夜に大声で話したり、細かいことに固執したりということもあるのだろう。欧州へ行くと、電車の中で静かに本を読んだり、イヤホンをして音楽を聞いている人を目にするが、中国人はよく、大声で話したり、電話をしたりする」と指摘。