有名な中国人テニス選手の李娜さんは、北京市王府井にある新華書店で自叙伝を発売した(9月8日)
スポーツは政治と一緒に論ずるべきではないが、中国のテニスファンはこのように思わないらしい。釣魚島問題を巡る中日間の対立が深まる中、李娜選手が来週東京で行われるテニスの試合に参加することを決定したことで、ネットユーザーから「売国奴」と罵られている。また、あるネットユーザーは彼女が先日出版した自叙伝を焼き払うと計画するほどだ。
李娜選手はプロテニスプレーヤーで、今回の試合に参加することはすでに決まっていたことであり、彼女は試合参加のプログラムとこれまで行っていた確認および自分の職業倫理に責任を取るという。
李娜選手を「売国奴」と罵る人々は2種類に分けられる。まずは事実を理解しておらず、本当の売国奴と偽の愛国を区別できない人たち。だが義憤のために理性が忘れられ、真相に関わらず罵っている。もう1つは、心の中では何もかも承知しながら、李娜選手を「売国奴」と罵ってわざと混乱を起こしたり、商業的な愛国主義を売って、愛国を商売とし愛国を消費するだけの者だ。
李娜選手が「売国奴」と罵られていることは、歴史の深層部にある憂慮を映し出す。事実を理解していない人、あるいは愛国を消費するだけの人の言行は、恐怖させ心配させる。彼らは愛国者ではなく、国を損なう者で、もっと言えば国を傷つける者である。彼らの口から簡単に発せられる「売国奴」は、すでに人々や社会を傷つけている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月25日