今年7月11日に東京上野動物園から発せられた訃報を、皆さんは覚えているだろうか?中国からやって来たジャイアントパンダ「シンシン(真真)」が同月5日に出産したパンダの赤ちゃんが、「誤嚥性肺炎(母乳が気管支に入ったことで起こる肺炎)」が原因で、11日に死亡した。日本の各新聞はこぞって号外を発行、テレビは臨時ニュースを流した。日本の多くの「パンダファン」が上野動物園にどっと押し寄せ、特設献花台に花を捧げ、合掌し、悲しみの涙を流した。日本新華僑報網が伝えた。
赤ちゃんパンダが死亡した時期はちょうど、中日両国で釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題に火がついた頃だった。東京都の石原慎太郎知事は、パンダの赤ちゃん誕生について、「全然興味ない。どうせ中国に返すのだから、『センセン』とか『カクカク』って名前をつけたら」とコメントした。この発言をめぐり、両国のネットユーザの間で議論が白熱、日本人が生まれたばかりのパンダの赤ちゃんをわざと「殺した」という声まで上がった。
しかし、テレビの画面に登場した上野動物園の土居利光園長は、メディアの記者陣を前に深々とお辞儀をして深い遺憾の意を示し、何度か涙で言葉を詰まらせた。ハンカチで涙を拭いながら、パンダの赤ちゃんの死因は「誤嚥性肺炎」だったと説明、短い間だったが、けなげに生きてくれたと話した。しかし、北海道旭川市にある旭山動物園の小菅正夫・前園長は、死因について別の見方を示している。
小菅氏は、日本のメディア取材に対し、次の通り語った。
「パンダの赤ちゃんの死を、このように曖昧な理由で片付けてはならない。上野動物園の園長は、記者会見で涙を流す暇があるのなら、死因の真相をとことん究明すべきだ。これほどまでに人気があり、絶滅が心配されている希少動物が上野動物園で死亡するとは、本当に悲しいことだ。死因の真相を解明しない限り、今後も同じような事が起こり得るだろう」