▽中国人歩行者は「我慢族」
課題チームは、このテーマについて、諸外国との比較研究も行った。その結果、中国人は忍耐強い「我慢族」の部類に入るという事実が明らかになった。たとえば、赤信号で「待てる時間の限界」は、ドイツ人が60秒、英国人がさらに短く45秒だった。
倪穎博士は、「中国の交通信号設備は、自動車優先の仕様になっている。これでは、歩行者が交通ルールを破るのは致し方ない」と指摘した。
杭州市街地の交通量の多い交差点では、歩行者が赤信号で待つ時間が100秒を超える所が多かった。なかには、145秒も待たなければならない信号もあった。このような場所では、歩行者が赤信号を無視して横断する場面がかなり多く見られ、特に通勤ピークの時間帯は顕著だった。
あるサラリーマンは、「歩行者だって急いでいる。こんなに多くの信号で、赤信号に引っかかるたびに大人しく待っていたら、間違いなく会社に遅刻してしまう」と、赤信号でも横断する理由を述べた。
倪穎博士は、「『中国式道路横断』の背後には、歩行者と自動車の権益問題が潜んでいる」と指摘。その上で、「弱者の立場にある歩行者は、権益を十分に保障されなければならない。長い赤信号の待ち時間をより合理的にすること、歩行者が自分の身の安全をより確実に保障すること、交通ルールをより良く守ること、などの必要性について、多方面が協力して解決していかなければならない」と続けた。
「人民網日本語版」2012年10月29日