中国のネット上でこのほど、犬の鳴き声を人間の言葉に変換する翻訳機が流行しており、価格数百元(数千円)ほどの商品がよく売れている。専門家は「犬の鳴き声や動作など生体信号のサンプリングを行い、そこから得られたデータを言葉の形式に変換して再生することは技術的に可能ではあるが、その適合率は決して高くなく、暇つぶしの娯楽としてなら使える」と指摘する。中国紙「羊城晩報」が2日付で伝えた。
▽ネットで大人気も賛否両論
「ママ、大好き」「お腹すいた」「ママ、遊びに行きたい」-----。
最近、呉さんはネットで300元(約3861円)の「犬語翻訳機」を購入した。プラスチック製の機器は手のひら半分ほどのサイズで、使うときは犬の首に送信機をつけるだけでいい。これ以降、家の中では犬の「ワンワン」という鳴き声以外に「犬語」が翻訳された中国語が流れるようになった。「初めはすごく新鮮に感じ、犬が甘えたように『ママ大好き』というのを聞くと、すごく面白かった」と呉さんは語る。
1日、大型ショッピングサイトで「犬語翻訳機」というキーワードを入れて検索してみると、178件の関連商品が表示され、価格は200元(約2574円)から300元(約3861円)だった。あるネットショップの1カ月の販売件数は100件を超えていた。このうち、いくつかの機器は海外からの直輸入限定商品で、価格は2700元(約3万4749円)だった。ネットショップの販売員は「この機器は簡単な言葉の分析しかできない。適合率は70%ぐらいだ」と説明した。
記者は市内のペットショップを回ったが、犬語翻訳機を置いている店はなかった。あるペットショップのオーナーは「多分、娯楽用に作られているから、正確さは期待できない。録音した音声を適当に流しているだけという可能性もあるし、入荷は避けている」と率直に語った。
一部ユーザーも「犬語翻訳機」は役に立たないと主張する。「犬が鳴いてないときにも、機器はずっとしゃべりつづける。一度、犬が寝ているときに、機器が突然鳴ったので犬が驚いて目を覚ましてしまった」と林さん。1週間しか使わなかったという。「犬を飼っている人は実際、このような機器に頼らなくても、ボディランゲージや泣き声、表情などから犬の気持ちが判断できる。この機器はおもちゃでしかない」