国際パラリンピック委員会(IPC)は11日、北京パラリンピックにおいて、新たに3例のドーピング事件が発覚したことを明らかにした。当事者はすでに参加資格を取り消されている。「中国広播網」が伝えた。
IPCが発表した内容によると、違反が発覚したのはパワーリフティング男子のファクル・シソッコ(マリ)と、同じくパワーリフティング女子のリュドミラ・オスマノワ(ウクライナ)だ。それぞれ9月6日と8月29日に行われた抜き打ち検査で、禁止薬物の筋肉増強剤に陽性反応を示した。このためパラリンピック参加資格を剥奪し、2年間の資格停止処分とした。
また、車いすバスケットボール男子のアーメット・カスクオン(ドイツ)にドーピングの疑いがあることが発表された。IPCの声明の内容によると、ドイツ国内で実施された尿検査において、この選手から禁止薬物の「フィナステロイド」が検出された。
この検査結果を知らされたカスクオン選手は、「故意に禁止薬物を使用したことはない。検査で陽性となったのは、自分が使っている脱毛症の治療薬と関係があるのではないか」と述べている。
ドイツパラリンピック委員会は10日、禁止薬物のフィナステロイドは直接、選手の能力を高めることはないが、其の他の禁止薬物の使用を隠す作用があることは事実だとし、カスクオン選手の参加資格を取り消し、帰国させることを決定した。
パラリンピック期間において、IPCは約1100例のドーピング検査を実施する。これは、アテネ時よりも400例以上も多い。
「人民網日本語版」 2008年09月12日 |