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japanese.china.org.cn | 12. 03. 2017

「留守児童」のための学校の存続に奔走 人民代表大会代表・陳万霞さん

タグ: 安徽 授業 教師 陳万霞

 

2017年2月27日、安徽省の肥東県陳集鎮小魏村にある「陽光留守児童小学」には、春の陽光が暖かみを与えていた。授業の合間の運動の時間になると、子どもたちは運動場を駆け回ったり、卓球に興じたりしている。学校のある村は、若者が出稼ぎに行ってしまい、ひっそりと静かだ。

この頃、学校の創始者で合肥市人民代表大会代表の陳万霞さんとその夫は県中心部に赴き、学校の生き残りのために奔走していた。2006年から現在まで、出稼ぎで両親が不在の「留守児童」をあずかるこの学校はすでに、12年もの歩みを歩んできた。

陳集鎮は、長江と淮河の分水嶺に位置し、人口が密集し、外地へ出稼ぎに行く人が多く、80%の子どもが「留守児童」である。小魏村は、陳集鎮のさらに辺鄙な村で、陳万霞さんはもともと、小魏村の小学校の「民弁教師」(正規教員の欠員を補う非正規の教師)だった。2005年、小魏小学校が教育配置調整で廃校になると、15年にわたって教育に従事した陳万霞さんも学校を離れた。

だが陳万霞さんはいつも、小魏小学校の子どもたちのことを気にかけていた。2006年8月、陳万霞さんは、一年働いた職業中学校を辞職して帰郷し、現地の政府と人々の支持の下、小魏小学校を土台として、「留守児童」のための寄宿学校を創設し、「陽光小学」と改称した。

「ここの先生は教科書を持てば教師、教科書を置けばお母さんになる」。陳万霞さんによると、ここで働く教師たちは、師範学校の卒業生を除けば、長年にわたって教師を務めた「民弁教師」だ。「この学校は子どもたちの家、教師は子どもたちのお母さんでもある」

陳万霞さんの学校はこれまで、付近の農民に歓迎され、生徒の数は増え続け、学校の規模も拡大し続けて来た。現在の学校は、授業用の建物のほか、宿舎のための建物も建てられ、食堂や図書館、バスケットコート、小さな運動場もできた。一番多い時で学校の生徒の人数は300人以上を数えた。

2008年、陳万霞さんは陽光小学の創設で「合肥市10大ニュース人物」に選ばれた。2011年、陳万霞さんとその留守児童学校は何度も中国中央電視台(CCTV)に注目され、陳さんは「中国好人」「最高の農村教師」などに選ばれ、合肥市人民代表大会の代表にも選出された。

だがここ1、2年、都市化の発展と両親の生活条件の改善に伴い、大量の子どもたちが両親に連れられて都市に行くようになった。学齢児童の人数の減少もこれに加わり、陳万霞さんの留守児童学校の人数は急減し、現在はわずか130人前後となった。学校経営の圧力も高まった。

「生徒一人の学費や生活費は2900元前後となっているが、3分の1近くは無料だ。学校には18人の教職員がいて、1カ月の賃金は4万元余りに達する。さらに子どもたちの生活の支出もあり、毎日お金が足りない」と陳万霞さんは語る。「授業棟と宿舎棟を建てるのでここ数年、すべての蓄積を投じ、さらに30万元余りの資金も借りている」

「学校は現在、確かに困難に直面している。でも子どもたちがいる限り、私はがんばっていく」と陳万霞さんは語る。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月12日

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