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japanese.china.org.cn |21. 01. 2018

山村の子どもたちの新年の願い 遼寧省

タグ: 遼寧 農作業 留守児童 両親


遼寧省の各地は今、一年で最も寒い時期を迎えている。丹東市寛甸満族自治県の楊木川鎮辺溝村は、大きな山の懐に抱かれた小さな村で、村民は多くが農作業や出稼ぎで生活している。この村には、4つの教室しかない学校がある。


冬の早朝、太陽がまだ顔を出さないうちから、学校に行く子どものいる農家はもうばたばたと忙しくなり、背の低い家屋からは炊事をする煙が立ち上り始める。学校から遠いところに住む子どもは、朝食をすませると、かばんを背負って道端で迎えのスクールバスを待つ。近所に住んでいる子どもは歩いて学校に行く。


午前7時半、子どもたちは時間通りに辺溝小学校の教室に座り、朝の自習を始める。教室にはそれぞれ、赤レンガを積んで作ったストーブがある。教室の窓の外へとブリキの煙突が伸びている。毎朝、日直の生徒の保護者が各クラスのストーブに火をつけるのを手伝い、それぞれのクラスの生徒がストーブに薪を加える役目を負う。


「学校の校舎はもう築40年余りになった。もともとは2棟の家屋だった。裏の建物は4年制から6年制までの教室だったが、長年にわたって修理がなされず、危険家屋になってしまった。そのため高学年の生徒は皆、楊木川鎮中心小学校に移って行った」と袁慶傑校長は語る。


この小学校には現在、1年生から3年生と学齢前のクラスだけがあり、全校生徒は29人、教職員は7人いる。


生徒の一部は、農村に残された「留守児童」と言われる。両親は農業を本業としながら、農閑期には出稼ぎに行く。中にはこの村を出たことのない子どももいる。子どもたちの願いは、玩具の自動車がほしい、きれいな鞋がほしい、旧正月を家族と一緒に過ごしたいなどさまざまだ。一人ひとりの子どもには、それぞれの新年の願望がある。


山の中に住む子どもは早く大人になると言われる。町に住む子どもの多くがまだ両親に甘えている頃から、ここの子どもはすでに家事の分担に加わっている。


6歳の胡宇航君は、耳が凍傷となり、学校を休んだ。胡君の家に入ると、黄土で作ったかまどの前に陣取った胡君がかまどに薪を加えていた。12歳の姉は「餅」(小麦粉で作った薄いパン)を焼いていた。


胡君の母親の紹介によると、父親は数年前、車の事故で傷を負い、筋肉の萎縮で重労働ができなくなった。祖母は病気で一年中薬を飲んでいる。


「家の子はとても利口」。胡君の母親によると、娘はクラスで学習委員を務め、歌やダンスも得意で、一度などは3枚の賞状を持って帰ってきた。お小遣いは毎週たったの5元で、学習用品を買うほかは何も買おうとはしない。


最近、ボランティアと支援物資を積んだ大型バスが300キロ離れた瀋陽から辺溝小学校にやって来た。学校への教育用品のほか、子どもたちのための図書なども持ってきた。


子どもたちはとても喜んだ。物質的な生活は豊かとは言えなくても、子どもたちは単純で楽しく暮らし、すぐに満足することを知っている。1本のスティックキャンディー、1冊の絵本、1個のルービックキューブだけで、子どもたちは大喜びだ。

 

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