新疆は遠い場所だが、ボザドルトウ（包扎得爾冬）牧場は新疆の人々にとって遠い場所だ。
ボザドルトウは天山の奥深くに位置する。約2200平方キロメートルの範囲内に、牧民1500世帯余りが分散して居住している。ここは得難い冬の牧場で、牧民は毎年9月末になると家畜を追いながらここを訪れ冬を越し、翌年3月になり春の牧場に移る。
山が高く道が険しい包扎得爾は、医師と薬が少ない。以前は単なる盲腸炎でも命が奪われることもあった。医師が馬に乗り巡回診療をすると、10−20日もかかる。一冬に少なくとも山に3回入らなければ、牧場内のエリアを一周することができない。
牧民の移動の難題を解消するため、県委員会と県政府は昨年、包扎得爾の一部の道路区間を、農村道路網アップグレード・改築事業に盛り込んだ。40キロ弱の山道が、4級道路標準に基づき建設された。
道は広がっているが、大半の牧民の家は交通要路から遠く離れている。一部の牧民は深い谷で暮らしており、馬に乗らなければ入ることができない。
今回の10日間の巡回診療で、医師らは300人以上の診療を行い、600箱（本）・50種の薬を支給した。巡回診療チームはこの10年間で、延べ2万人以上の患者を診療した。
