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japanese.china.org.cn |05. 06. 2018

都市の壁彩る3D壁画師 若者が起業

タグ: 美術 学院 美術 専攻 絵筆


 都市にはこんな人々がいるという。美術学院の美術専攻を卒業した彼らは、絵筆と絵の具、足場を担いで街中をめぐり、才能と汗とで都市の壁に「美容」を施しているというのだ。80後(1980年代生まれ)の若者の岳亜偉さんはそんな壁画師の一人。「美術学院の『才女』も安全帽を被って足場に登れば1秒で『農民工』に変わってしまう」と彼は言う。


 岳さんは10年前、寧夏回族自治区のある大学の美術専攻を卒業後、上海にやって来た。「デザインもやったし、ギャラリーにいたこともあるが、残業はつらいし給料も低かった」。ある時、火鍋店の壁に3Dの装飾画を施すという臨時の仕事を受けた。この仕事でなかなかの収入を得た彼は、3D壁画の巨大な市場空間に気付いた。


 考慮の後、岳さんはウェブデザイナーの仕事をやめ、3D壁画の創作に全身全霊で取り組むようになった。潜在的な顧客を開拓し、より多くの注文を得るため、壁画業務を受ける前にネット上にショップを作り、起業生涯を始めた。


 居住コミュニティや学校、ジム、バー、レストラン……これらはすべて岳さんたちが才能を発揮する場所だ。現在は8人のフルタイムの若い絵師をそろえる。みな美術専攻の卒業だ。「この仕事をするには才能もなければならないが、体力も要る」。四川美術学院卒業の馮瀟さんは笑ってそう言う。


 3D壁画は一枚数十平方メートルになり、描くのに何日もかかることも少なくない。「室外で仕事をする時には安全帽を被り、6メートルの高さの足場にのぼる。建築労働者と同じ」と寧夏大学美術専攻卒業の郭金玲さんは言う。足場にのぼる仕事はできるだけ男性にお願いしているが、この2人の女性絵師もしばしば足場にのぼって強い日差しの下で絵を描く。


 昨年は上海の鳥瞰図の注文を受けた。面積にして20~30平方メートルはあり、8人の絵師が総出で2週間かけて仕上げた。体力がなければこの仕事はできない。もちろん絵師をやっていて苦しいことばかりではない。疲れた足場を下りて即興でストリートダンス。そんなリラックスした楽しい仕事の雰囲気はほかではなかなかない。


 岳さんのスタジオには8人の絵師のほかデザイナーが1人と顧客サービス担当が1人いる。この2人はネットショップのほとんどの仕事を担当している。「ネットショップでは昨年一年で100件以上の注文を受け、売上は80万元を超えた」。華静さんによると、江蘇・浙江・上海地区の壁画やグラフィティなら受けることができ、その他の地方の注文を受けることもある。


 2015年に創業してから、岳さんとチームが創作した壁画作品は数万枚に及び、面積にして1万平方メートルを超える。仕事を受けるたび、岳さんは写真やビデオでみなの苦心の成果を記録する。オフィスの壁には絵師たちの各現場の仕事姿の写真が一面に飾られている。


 岳さんは将来にも自信を持っている。「会社勤めのような安定した仕事ではないかもしれないが、都市の一角や農村の小道に美しく斬新でカラフルな壁ができると、一日の疲れも忘れて心から嬉しくなる」


 岳さんは、電子商取引の時代が到来したことで、アーティストには広大な未来が開かれ、芸術で食べていくことも難しいことではなくなってきていると感じている。

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