青蔵鉄道は標高5072メートルのチベット高原の唐古拉山を抜ける。ここは世界の鉄道で最も標高の高い場所である。西寧駅は青蔵鉄道の始発駅であり、チベットに入る旅客が通過する重要な駅でもある。上海市、広州市、成都市などからラサ市に向かう普通型旅客列車に乗る場合、西寧駅で高原型酸素供給列車に乗り換えなければならない。西寧駅にいる「渡し守」の親子の日常的な仕事は、旅客の乗換案内だ。
李海雲氏は西寧駅客運班の職員で、同駅でこの仕事に12年従事しているが、今年8月に定年退職を迎える。彼の息子の李誠氏は昨年11月、ラサ〜シガツェ鉄道曲水駅から西寧駅に転勤し、父と同じ班の同僚になった。李誠氏は班の他の職員と同じように父を「李師傅」と呼ぶ。親子の1人が先頭車両に、もう1人が後方車両に陣取り、乗客の一路無事を静かに守る。
間もなく始まる今年の「春運」(旧正月前後の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)は、親子にとって特殊な意義を持つ。李海雲氏にとってこれが最後の春運で、李誠氏にとって西寧駅における初の春運だからだ。一家団欒のひとときに、彼らは駅で新年を迎えようとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月17日