澄み切った湖、周辺の緑の木々、舟を浮かべて一人前進する。これは46歳の森林保護員が舟を漕ぎながらタリム川沿いの野生のコヨウ林を調べる風景だ。
彼が働く新疆ウイグル自治区尉犁県はタリム川の中・下流、タクラマカン砂漠の北端に維持し、県内に約80万ムーのコヨウ林が広がる。彼は同僚と東西520キロ、南北240キロのコヨウ林の管理を担当している。
中等実業学校を卒業した彼は1993年、「故郷の姿を変える」願いを叶えるため森林保護員になった。彼はこのコヨウ林を26年も守り続けている。
巡視・保護の面積が広いため、彼は毎日数十キロの道を歩かなければならない。天然のコヨウ林は地形が複雑で、砂丘・湿地・湖沼がある。コヨウの成長状況を調べるため、彼はバイクで通行できない場所では馬に乗り、馬が通れない場所では徒歩になる。水があれば舟を浮かべる。彼は各種交通ツールを操縦できる「水陸両用オールラウンダー森林保護員」になった。
砂漠の周辺では夏の気温が40度を超え、冬は氷点下20度以下になる。この極端な気温差は森林保護員が乗り越えなければならない試練だ。風と直射日光にさらされ、虫に刺され、木の枝でひっかき傷を作ることは「日常茶飯事」だ。また家族や町から遠く離れる寂しさに耐えなければならない。
彼は遠くの緑を眺めながら「たしかに苦しいが、すべてのコヨウの価値を知っている。私はコヨウを守る、コヨウが私の故郷を守ってくれる」と話した。
新疆南部のタリム川流域には世界最大のコヨウ林が広がる。新疆は過去3年に渡り生態環境の保護をさらに強化し、コヨウ林に生態水を送り続けている。死の淵から目を覚ますコヨウが増えている。彼のような森林保護員の任務も重要性を増している。