今年の年初、新型コロナウイルス肺炎が突如発生し、全国に蔓延した。感染発生後、中国ジャイアントパンダ保護研究センター(以下「同センター」)は感染対策に全力を尽くしている。
関連責任者によると、同センターが囲いの中で飼育するパンダの数は昨年末時点で313頭にのぼり、世界の過半数を占めている。数が最も多く、遺伝構造が最も合理的で、最も活力あふれる集団を形成した。同センターは現在、雅安碧峰峡、都江堰青城山、卧龍神樹坪、臥龍核桃坪の4つの施設で182頭のパンダを飼育している。レッサーパンダ、ツキノワグマ、キンシコウ、キジなどの共存動物は124匹。
今回の感染症は現状を見る限り、放し飼い及び囲い飼いのパンダの健康に直接的な影響を及ぼしていないが、後者に対する間接的な影響は大きめだ。主に囲い飼いパンダの食料の輸送、繁殖のための移動、交流・協力、飼育管理などの面に現れている。中でも今年のパンダの繁殖に対する影響が大きい。パンダの発情・繁殖シーズンが主に2−5月となっているからだ。過去には竹の花の開花により放し飼いパンダの食料が不足し、犬ジステンパーウイルス感染症により多くの囲い飼いパンダが死んだことがあるが、今回の新型肺炎はパンダの健康に直接的な影響を及ぼしていない。
現時点ではパンダのCOVID-19感染は確認されていないが、今後感染する可能性を否定できない。同センターの各基地は現在、各種措置で感染対策を行っている。
科学的な管理、疾病予防・抑制を強化
科学的かつ効果的な措置により、パンダ及び共存動物の疾病予防・治療を保証する。
まずは定期的な消毒だ。飼育場の小屋の内外及び公共の場における消毒の頻度を上げる。飼育用具、清掃用具などを毎日水で洗い消毒を行い、小屋の中の空気の流通を維持する。新鮮で清潔で高品質な食料を保証する。
次に全面的な点検だ。飼育員、獣医、科学研究者による共同感染対策観測システムを構築した。パンダ及び共存動物の状況を適時把握し、早期診断・治療、症状に合った治療の準備を徹底し、パンダの群れの安全を着実に守る。
それから科学的な飼育だ。パンダの食料供給を着実に保障する。感染状況のピーク期にパンダの抵抗力と免疫力を高め、栄養バランスの整った食料を提供する。各世代のパンダの習性と健康管理に焦点を絞り、それに合った管理・保護措置を講じる。特殊なパンダ、病気のパンダに対する「一対一」の行き届いた看護を行う。