今年の2月4日、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下「同基地」)のパンダの「毛桃」(オス、2016年7月26日生まれ)に、元気がなく、寝てばかりで、食欲不振で、粘液のある便が出るといった体調不良が生じた。
同基地の獣医師チームはその後4日に渡り、毛桃の体調、食欲、排便・排尿状況、水分補給、胃腸機能の調節に注意した。4日間のサポートと治療により、毛桃がやや元気を取り戻し、食べ物を少し口にするようになったが、排便がなく排尿の頻度も大幅に低下した。2月8日午前、食欲を完全に失った毛桃は急に激しく嘔吐し、極度のうつに陥った。
チームは毛桃の状況が深刻であることを知ると、直ちに麻酔を打ち検査と治療を行い、各種指標の異常を発見した。既存の臨床症状と実験・検査結果を結びつけ、同基地の獣医師チームは再び毛桃の緊急立会診察を行った。チームは毛桃の発症の原因が、上部消化管閉塞である可能性が極めて高いとした。症状が深刻なため、チームは再び一連のより細やかかつ掘り下げた検査を行った。それにより、十二指腸の幽門狭窄であることが分かった。
チームは2月10日、核工業部四一六医院外科専門家と共同で、毛桃の十二指腸閉塞の手術・治療を順調に完了した。閉塞の原因となっていた食用竹の塊を取り出した。
36時間連続の緊急救命により、毛桃は医療従事者のサポートを受け病に打ち勝ち、新たな生を手にした。徐々に回復する毛桃はすべての関係者を喜ばせた。今回の手術の成功は1頭のパンダの命を救っただけではなく、パンダ疾患治療の理論体系を改善し、パンダ関連の治療活動に成功例を提供した。