6月29日、四川省会東県と雲南省禄勧県の境にある金沙江下流の烏東徳水力発電所の1号機が発電を開始した。高さ約1800メートルの法面から烏東徳ダムを見下ろすと、卵の殻が金沙江のV字型の谷に挟まっているようである。三峡ダムをはじめとする重力式ダムと比べると、アーチ式ダムは構造と応力が複雑で、水利建設業界で最も複雑な建築物とされている。
完成後の烏東徳水力発電所は高さ270メートル、上部の弧長326.95メートルのコンクリート製双曲アーチ式で、世界一薄い300メートルクラスの超高アーチ式ダムとなる。設備容量は1020万キロワット、年平均発電量は約289億1000万キロワット時で、ネットユーザーによると、北京の2018年の電力使用量の約34%に相当する。
発電以外に、烏東徳水力発電所は洪水防止や水上輸送などの総合的効果も備える。このような巨大プロジェクトの裏には大勢の水力発電従事者の17年にわたる貢献がある。