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japanese.china.org.cn |08. 04. 2021

光と影の夢を追う、小さな影絵俳優の人生

タグ: 影絵 無形文化財 観光客 

 合図と共に劇場の照明が徐々に暗くなり、数人の小さな俳優が幕裏に移動する。頭上に並ぶ照明のスイッチを入れると、白い幕が明るくなる。光と影が揺れ動き、亀と鶴が知恵と勇気を競う物語が活き活きと上演される。


 この両手を使う影絵俳優は、鄭州精霊夢影絵芸術団のメンバーだ。小人の影絵チームで、平均年齢は24歳、平均身長は130センチ未満だ。よく見なければ7、8歳の子供と間違える。


 「いらっしゃいませ。楽しい影絵を上演中です」青い伝統的な「長衫」を着た李賽さんが、鄭州市の観光地、建業大食堂の「影絵戯苑」の看板の下に立ち、行き来する観光客に笑顔で紹介した。日差しを浴びると彼の肌はいっそう白く見え、セットしたばかりの髪型も爽やかに見える。


 1994年生まれの李さんはこのチームの代表者であり、河南省鄭州市恵済区の無形文化財「豫東李氏影絵」の5代目の伝承者だ。影絵の一家に生まれ育った李さんは、幼い頃から祖父の影絵をよく目にし、影絵劇に興味を抱いていた。


 影絵劇をマスターするため、李さんは2010年に兄弟子の馬峰さんと共に、荷物を背負い全国各地で修行した。彫刻、演技、歌に優れた俳優がおり、李さんはネット上で弟子の募集や上演の情報を見るたび学ぼうとした。


 幼い頃に成長ホルモン欠損症を患ったため、李さんの身長は130センチ余りしかない。身体的な限界により、李さんの修業の道は非常に苦しかった。影絵の操作を練習する時は、手が小さく安定性が低いため、数本の操作棒を使う簡単な動きだけでも1週間かかった。李さんは「影絵の人物に命を吹き込むため、毎日5、6時間の練習を繰り返さなければならない、手にたこができ、くぼみができた」と述べた。

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